2017年度 Vol3
新 くじら組スタート
ドキドキワクワクの4月3日
入園進級式が終わってから、子どもたちに「年長になってどんな事をやってみたいか」を聞くと次々とやりたいことが出てきました。
「雑巾縫いたい」という声が出ると「やりたい!」「やりたい!」が続き、「今日やりたい」と蒼士が目をキラキラさせて訴えてきました。やりたい気持ちが強いだけあって、テーブルの準備をあっという間に済ませ、「早く、早く」と大人をせかす勢いです。
初めての事なので雑巾縫いに必要な道具の使い方と注意点を話しました。
好きな糸の色を選び、糸の長さを一尋の長さに切り、いよいよ針に糸を通します。始まって間もなく「できた!」と悠里。えっ!と誰もが驚くほどでした。「あーできない…、あーできない…」と聞こえてきましたが、途中で投げ出さず、針と糸と向き合っていました。初日は子どもたちが全員揃っていなかったため、針に糸が通ったところで終わることにしていました。
次々と糸が通り、木乃花は時間になると「ご飯食べてからやるわー」と自分で決め午前中を終えました。
昼食後、自ら針に糸通しを始めた木乃花。さっきまでは「は~。は~。」とため息交じりでしたが、気持ちを切り替えたようで、始めて間もなく「できたー!」と叫び、針を高々と持ち上げ、歓喜に満ち溢れていました。
2日目
登園してきた来美に「今日雑巾縫いするからね!」と子どもたちが駆け寄ります。「うん」と少し照れながらうなずく表情から、年長への喜びが伝わってきました。
リズムの後、雑巾縫いを始めました。悠里が針や糸、針山のことなど大人顔負けの顔で説明していました(しっかり理解しているのですね)。誰よりも早くテーブルについていたのは幸大でした。いつでも準備OKと言う顔で待ち構えています。
真っ白なタオルを4つ折りにし、端から縫い始めます(線は書いていないので自分たちで考え、端を縫います)。針の出たすぐ隣に針を入れるのですが、反対側に刺すとかがり縫いになってしまいます。何度か縫い直しが続くと肩を落としてしまう子もいましたが、出来上がりたいという気持ちが強いようで、また手を動かし始めます。どの子からもむずかしいことでもやり遂げようという思いがひしひしと伝わってきました。
4月12日、全員完成!できた喜びでいっぱいの子どもたちは、全員自分たちの雑巾を手に持ち「できたよ!できたよ!」と踊りながら、第2園舎、給食室、園庭を移動し、みんなに喜びの報告をして回りました。家に帰ってからももっとやりたいと2枚目を縫っている子。悠里は3枚をかもめで作り上げ、4枚目を縫うと言っています。
雑巾縫いは体を支える腰の力はもちろん、手と目と頭をフル活動させて行わなければなりません。話を聞く力、集中力も必要です。今までのいろいろな事が積み重なっているのです。話を聞く場面、聞いて自分で考えて行動する、という事を大事に続けていきたいと思っています。
くじら組は自分たちが縫い上げた雑巾で、毎日当番活動をしています。
誕生日プレゼントに雑巾を
くじら組の子は自分の家でも雑巾縫いをしているようです。
咲良もお父さんへのプレゼントに縫っていたようですが、友だちの誕生会にお呼ばれした時に思いついたのが「雑巾のプレゼント」だったようです。そして、向かう車の中で続きを縫い上げてプレゼントしたとの事でした。心のこもった手作りプレゼント、きっと喜ばれたことでしょうね。
4月は、フキノトウを採ってきてフキノトウ味噌を作ったり、つくしを採ってきてお浸しにして食べました。
この日はつくしのお浸しを作りました。
[石田 記]