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共同保育の精神

共同保育の精神

行事・収益活動・子育て共同体

行事

山菜パーティー、親子レク、年長合宿、かもめ祭り、運動会、ちょうちん祭り、クリスマス会、餅つき、みんなで遊ぼう、卒園式・・・
かもめ保育園では、基本的に保護者は「お客さん」ではないので、主体的に関わる行事がたくさんあります。
職員側が企画してそれに保護者が協力するものもあれば、主に保護者側が幹事会(父母の会役員)や実行委員会やリーダーを中心にリードするものもあります。いずれの行事についても、職員も保護者も同じく保育園の活動を担う仲間として、相談し議論し分担し協力し合って行なっています。

「かもめ保育園って、保育内容は良いと思うけど、親がいろいろやらなければいけなくて大変なんでしょう?」外の人によく言われます。その中には、それが理由で入園することを躊躇している人もいるのかもしれません。「そんなことないよ」とはいいません。行事で何か役割を担えば、時間は取られます。疲れることも頭を悩ますこともあります。
でも、楽しいんですよ。お膳立てされた行事にお客さんとして参加するよりもずっと。
学生時代のサークルや学園祭の活動に近いかもしれません。親も職員も対等に、語り合い、汗を流し、1つのものを作り上げる中で、互いに信頼のおける仲間になっていきます。そして、その延長線上には必ず「子どもたちの笑顔」があることに、すぐ気づけると思います。いっぺんにはまってしまう人も多いです。

持てる時間の余裕や人付き合いの得手不得手など、個人差もあるでしょうから、「~ねばならない」と強制するべきものではないと思います。「やれる人が、やれることをやる」が基本です。やっているうちに、その面白さや、やりがいをわかってもらえるはずです。
かもめ保育園の「子どもたちのために」の活動には、そんな普遍的な魅力が詰まっています。ぜひ継続していきましょう。

収益活動

かもめ保育園では、毎年4月のだいたい第3日曜日に総会が行われます。前半は普段の行事や収益活動を担う父母の会「かもめ会」の総会、後半は、保育園の経営主体であるNPO法人(特定非営利活動法人)の総会です。
どちらも活動や事業の総括・方針の他に、その裏付けとなる会計について、会員である保護者・職員・関係者に公開され、収支決算の確認や予算についての話し合いが行われます。認可外の間は、本当に切実な話し合いが時間をかけて繰り返されました。

認可外・一部認可時代、園児数が少ない年は必ず数十万円単位の赤字になりましたから、それを補てんするためにどれだけの収益活動をやろうかとか、園児募集のためにどんな活動をしようかとか、職員の賃金はどこまで出してやれるかとか、保育料は上げた方がいいのか上げない方がいいのかとか、みんなが頭を悩ませ、知恵を出し合いました。この話し合いを通して、保育園の経済状況はみんなに知れました。
職員がとんでもない低賃金なのも皆わかっていたし、普段の保育活動や行事でどれくらいのお金がかかるのかも、園舎の建築や修繕での借金がどれくらい残っているかも、全部承知しているから、収益活動でどれくらい稼ぐ必要があるのかもわかっていました。
だから保護者も職員もみんな自然に保育園の運営の主体としての意識ができたし、「保育園を守るために、やれることはやろう」となっていったんだと思います。

全体認可になり安定収入が見込めるようになって、保育園の存続を心配するような運営上の不安は少なくなります。
収益活動はこれからどうしましょう。
例えば、かもめ保育園が決まった時間子どもを預かるだけのごく普通の保育園としてやっていくなら、収益活動はしなくてもたぶんやっていけるでしょう。保護者も保育サービスを利用するお客様でも構いません。
しかし、これまで通りの海や山での付加価値の高い保育内容や行事の充実を望むなら、ある程度の収益活動はこれからも必要です。
NPO法人かもめ保育園の正会員のほとんどを保護者が占めていますから、どちらを選択するか、総会の場所で議論して決定してかまわないわけです。みんなが共同運営者なのですから。

ともかく収益活動は「保育園にやらされる」ものであってはいけません。
個々の保護者が共同運営者としてその必要性を理解し、得られたお金が、結局はすべて子どもたちの笑顔に繋がっていくのだという共通認識の下で行われなければ意味がありません。
そして共に活動することで共同意識が醸成されていくものでなければならないと思います。

子育て共同体

何か用事があって、昼間たまにかもめ保育園に行くと子どもたちが寄ってきて「だれえ?」と必ず聞かれます。
ちょっと似ているお父さんもいるようで、「〇〇の父さん?」と言われることも。
あたり前のことのようだけど、実はそうでもありません。
かもめ保育園の保護者は、保育園にいる子どもたちの名前をだいたいみんな知っています。
子どもたちも年中年長くらいになれば、「〇〇の父さん」「△△の母さん」と、保護者の名前をだいたい覚えています。
もちろん、保育園によく来る保護者とそうでない保護者で差がありますが、保育園内では、オトナも子どもも皆が顔見知りの状況だと言っていいと思います。
かもめの保護者は、うちの子と同じようによその子のことも気にするし、声をかけるし、時には叱るし、親子で互いの家を行き来することもある。子どもたちも、自分の父さん母さんだけではなく、かもめのオトナみんなから、目を向けられ、声をかけられ、手を差しのべられることを日常的に経験します。
だから、かもめの子どもたちは、保育園に来るオトナは、「ただの知らないおじさん」ではなくて、何か関係のある人で、声をかけて話をするべき相手なのだと感じているのではないかと思います。相手が誰であれ、自然に人とのかかわりを進んで持とうとするのだと思います。
しっかりとした人間関係(互いの信頼関係)の中で、たくさんのオトナに見守られながら、かもめの子どもたちは育ちます。かもめ保育園は、子育てを共通項にした共同体であり、1つの「ムラ」に近いものがあると感じます。
たくさんの人の見守りと濃い人間関係の中で子どもたちが育つかもめ保育園は、現代社会の宝だと思います。