2002年度 Vol48
節分だ、豆まきだ!鬼なんか怖くない?
《山小屋に鬼の襲来》
節分に、豆まきで家の中から追い払われるはずの鬼が、なぜか山小屋周辺に現れました。
駐車場に鬼の姿を発見すると、子どもたちはソリに乗って逃げたり、ソリを放り出して坂を転げながら逃げたりのパニック状態。坂の下まで逃げ延びてホッとしたのも束の間、今度は”ネズミ婆さんの家”(ご本人が聞いたら怒るだろうけど、子どもたちがそう呼んでいる坂の下の家)の方から別の鬼がズンガズンガと雪をこいでやってきます。
さぁ、大変。上と下からの挟み撃ち。子どもたちはポケットに豆を忍ばせているけど、豆をまくどころの騒ぎではありません。逃げ場を失って右往左往し、羽崎にしがみつく。たちまち、羽崎の体は子どもの”鈴なり”。あぶれて羽崎にとりつくことができない亜弥美、野々花、真花たちが、少し離れたところでカメラを構えていた高川の足にしがみつく。亜弥美が「お願い、アミを守って!」と必死の懇願。汗が噴き出し、頭から湯気がボウボウ。
《豆まきで鬼が退散》
「みんな! 豆をぶっつけないから鬼が暴れ回るんだよ」と言うと、天来や大輝などが先頭に立って、豆をぶっつけ始めます。この反撃で、さすがの鬼たちもようやく退散していきました。
亞弥美(雪に手をついて)「高川、動かないでいてくれてありがとう」
心底からお礼を、という気持ちが感じられます。よほど怖かったんですね。
《”鬼のいぬ間”の空威張り》
子どもたちは、鬼がいなくなると急に勇ましくなりました。
高川「天来は怖がらなかったね。」
玄基「ゲンだってナンモ怖くなかった。」
高川「へぇー、ゲン、泣いたしょ?」
玄基「ゲン泣かないも。ただ、息ハアハアしてただけだも。」
高川「そーか、ゲン、鬼怖くないんだね」
他の子も、あんなに慌てふためいた割には、まことに冷静な観察をしています。
「あれ、鬼じゃない。人間の耳してたから、人間だ。」
「ゴムでお面つけていたから、つくりものの鬼だ。」
「お面、はずれそうだったもね」
「鬼じゃなくて、北嶋か樋詰だと思う。高川おじさんかも。」
《やっぱり怖い》
午睡明けの小屋の中に、再び鬼が声もなく侵入してくると、さっきの強気はどこへやら、みんな我先に逃げ出して豆をまくどころではありません。玄基も、また”息をハアハア”させていました。
鬼をやっつけるため、勇気を出して豆まき攻撃をするなど綿密な作戦を立てなかったのが失敗。今年は、豆の数がかもめの厄をはらうにはチョッと足りなかったかな、と心配になっています。
(高川 記)
かもめ園舎にもオニが襲来
2月3日節分の日、朝いつきは「今日、オニが来る日なんだよ!」と元気に登園していました。小さいクラス(いくら・しじみ・あさり)では、豆まきをやらないつもりでしたが、子どもたちが楽しみにしているので、急きょ山小屋に行ったオニに来てもらうことにしました。豆を人数分用意し、いつでもオニが来てもいいように隠れる場所も作りました。
将輝「つよいオニくるよ!こわいよ!」
いつき「そうだよ!」
爽駿「こないよ!やさしいオニも、こわいオニもこないよ!」とウルウル
将輝「オニきたらやっつける!」
大人「やっつけれる?豆をぶつけるんだよ。大丈夫?」
首を振る爽駿。
裕介、陸は、かもめのオニが恐いということを知らずにのんきにおいかけっこ。オニが来ていないのに、向陽、直輝、円花は隠れて出てこない!「大丈夫まだこないよ。窓を見てごらん!」と言うと円花が出てきて窓を見たとたん、オニとご対面!!
玄関の戸をドンドン叩くオニ。みんなパニック。一番強がっていた将輝は一目散に隠れ家へ!オニが入ってくると「キャーーーーー!」とかたまる裕介、いつき。隠れ家から大人の方へ来ようとする爽駿だが、オニと目が合ってしまい、目玉が飛び出そうなくらい「ギャーーーーーーー!」と泣叫び、必死に逃げていきました。オニは隠れ家の毛布をはぐりました。隠れていた将輝、陸、武琉、円花、向陽、直輝は、大泣き。豆を必死に投げるいつき、爽駿、裕介。そのおかげでオニは逃げていきました。オニが行った後も泣いていましたが、大人が「豆を食べるともう来ないんだよ!」と言うと、安心して落花生をボリボリ食べていました。
「オニ恐かったね?」と聞くとみ~んな「ウン!」と言ってました。やっぱり「かもめのオニ」は恐かったようです。