2009年度 vol34
挑戦する子どもたち
秋のワオーの森は、落ち葉のじゅうたんでいっぱいです。カシャカシャと足元から聞こえてくる音に、「落ち葉の音がするー」と喜ぶ子どもたち。
空気もすっかり秋の匂いに変わり、肌寒さを感じますが、少し登ると体はあっという間に暖かくなります。そんな秋のワオーの森での、子どもたちの驚くべき出来事をお伝えします。
《10月28日(水) 》
琉久に続いて挑戦したあみ
子どもたちの人気は、ブランコとネットのトランポリンです。
そして、ちょっとスリルのある「ロープ渡り」を挑戦するには、バランスも重要ですが、何といっても度胸が必要です。一番高い所では、地面からロープまで3メートルちょっとあります。
この日、かめ組の子と咲仁が、ロープ渡りを楽しんでいました。すると、そこへ琉久も仲間入り。見ているとロープを握り、ずんずん進んでいきます。
下で見ている大人は、ヒヤヒヤものです。「大丈夫~」と思わず叫んでしまいました。「うん」とりゅうの声が返ってきました。ロープを渡りきって下へ降りるには、木とロープを伝ってこなくてはなりません。木に足を少しずつ下ろし、一人で降りて来ようとします。最後には少し力が尽きたのか、ズルズルーとなり、下で石田がキャッチ!琉久は少し涙を流していましたが、見ていた大人はただ、驚きでいっぱいでした。
この日は、琉久だけにとどまらず、その後、あみも琉久に刺激されたのかロープを渡り始めました。自分でまだ出来ないと思う事には挑戦しないあみが、今日は顔つきが違います。
「大丈夫?」と何度も聞く大人に「大丈夫!!」と言い切るあみ。見守られる中、 あみも何と見事に渡りきり、一人で降りてくる事ができました。
この二人の勇気と、あきらめない強い気持ちに、見ていた大人の気持ちを熱くさせるものがありました。二人のお腹には、名誉の負傷が残っていましたが、本人たちは満足そうな顔をしていました。
《11月9日(月)》
はじめての挑戦!千聖
少し遅れて、ワオーの森の頂上へ到着した石田を待ち構えていたかのように、千聖が「石田、おはよう」と近づいてきて、一緒に向かった先は「ロープ渡り」でした。
「石田、見ててね!」と力強い千聖の声・・・。少し前に、半分よりちょっと行ったところで、断念して引き返してきたとの事でした。先日、あみと琉久が挑戦し、渡りきった事を見ていて、自分だけ・・・・という思いがあったかもしれません。 でも、そこはあえて刺激せず見守っていましたが、この日は自ら挑戦していました。千聖は、ためらう事なく進み、渡りきったところで、ロープと木を足で探りながら一人で降りてくる事ができました。
下山しながらも、「ちーちゃん、すごいっしょ」と大満足の千聖でした。
自然の中で遊ぶという事が、子どもたちの力を引き出し、ひとつ大きな自信を与えてくれたと実感しました。