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かもめニュース

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2012年度〜2016年度

2013年度 Vol35

高川の保育日誌から

衷しみを感じ感情を制御する 成長の階段を確実に上(のぼ)る

年長2月15日


紙芝居『なめとこ山のくま』(童心社)

年長の後半になると紙芝居『なめとこ山のくま』(原作・宮沢賢治)を見せる。
熊撃ちの猟師・こじゅうろうと熊たちの「交流」の物語である。
物語の終盤で、年老いたこじゅうろうは熊の主のような大きな熊に殺されてしまう。生と死の狭間で、こじゅうろうと熊たちの魂が交差するクライマックスになると、見ている子どもたちの間から、「ウウッ」、「グクッ」と押し殺したような泣き声が漏れてくる。「アア、変わってきたなあ~」と思う。これまでは、悲しい場面になると、手放しで大きな泣き声を上げるので、読み手の声が通らず物語の進行を止めなければならない…などということもあったのに。
感情表現を抑制できるようになった。
そして、こんな成長も…。
咲良「悲しい本はイヤだったけど、涙が出た本の方が好きになった」

『なめとこ山のくま』のあらすじ

こじゅうろうは猟師だから、生活のために熊を殺す。でも、本当は熊を殺したくない。それどころか、熊が大好き。
だから、殺してしまった熊に「かんべんしろ。おまえをころしたくてころしたんではねえんだぞ。おれのしごとだから、しかたなしに…」と詫びるような熊撃ちだった。
そして、おかしなことに熊の方もこじゅうろうが好きなようだった。
あるとき、山で出会い鉄砲を向けた熊に「こじゅうろう、おまえは、なにがほしくておれをころすんだ」と問われる。
「そんなこと いわれると、おまえたちを殺してまでいきているじぶんが、ほとほといやになる…」
「こじゆうろう、もう2ねんまってくれ。おれもやっておきたいことがある。2ねんしたら、おれのほうからおまえのいえのまえでしんでやるから」と、熊は森の中へ消えていった。
それから2年たったある日、あの時の熊が本当に家の前で死んでいた。
「ほんとにやくそくをはたしにきたのか…」と、思わず手を合わせるこじゆうろう。
それからまた何年か経って、年老いたこじゆうろうが猟に出かける。そして、とてつもなく大きな熊に出会い、頭を打たれて死んでしまう。
「おお、こじゆうろう……、おまえをころすつもりはなかった」と熊はうろたえる。
死んでいくこじゆうろうに、青い星のような光が見える。チラチラチラチラ…。
「ああ……しぬときにみるひかりだ。くまのいのちもおれのいのちもおんなじようにひかっているんだ。くまどもゆるせよ……」
月も星も凍るような夜。山の上で熊たちがこじゆうろうを丸く囲んでじっと座っていた。よく見ると、死んで冷たくなったこじゆうろうの顔は何か優しく笑っているようだ。

熊たちはこじゅうろうを囲んだままいつまでも じっと じっと化石のように動かなかった。

お母さん・お父さんへお願い

「なめとこ山のくま」との「出会い」は年長になってからみんなと一緒に…が良いなあと思っています。
そこのところをお酌み取りいただければありがたい、のですがm(_ _)m