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かもめニュース

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2012年度〜2016年度

2016年度 Vol42

山小屋生活~雪遊び~

かに組

 山小屋生活が始まって間もなく深見啓生がかに組に仲間入りし、人数の少ないかに組は一気に活気づきました。初日から大きい子にソリに乗せてもらったり、ソリ遊びを楽しめていたことに山の魅力を再確認できました。麻陽は最長コースをこいでスピードをあげたり、カーブを曲がったり、ブレーキをかけて止まったり、コントロール抜群。
 驚いたのは灯里。急斜面を何度も転がって顔中雪まみれになりながらも再挑戦し続け最終地点まで到着。スリルを楽しめるようになると心優と二人乗りの楽しさを共感していました。体いっぱいに喜びを表わす子どもたち。長いコース、デコボココースなどをすべるソリ遊び、斜面を登る繰り返しの遊びやダイナミックな崖すべりを体験してきました。
 山小屋生活終了後、園近くの崖で遊んでいると昨年までよじ登る時は膝でズルズル滑り、苦労していた幸喜が、親指をしっかり使って登りきれるようになり、崖を登りきる前に心が折れて泣いていた理世も、仲間の応援に支えられながら諦めず登りきることができるようになりました。体も心も成長した山小屋生活だったと感じています。
 仲間同士でじゃれついたり、助け合う姿が見受けられるなど仲間関係にも変化が見られます。 崖下の雪原を散策していると雪のなかに深く埋まってしまい困っていた幸喜が、小さな声で助けを求めていました。いち早く気付いた心優が幸喜の足下を掘り始めると啓生もやってきて「みんな!助けて~!」と叫びました。
「いいよ!いいよ!」とすぐに駆けつけた麻陽と理世。
麻陽「蹴ればいいんだ!」と足で周りの雪をどかそうとすると
理世「そうやったら雪入るっしょ!」
心優「ぼっこ(棒)あげるかい?」
灯里もみんなの隙間から手を出し救助に加わりました。 その間2分ほど。「やった~!」やっと雪のなかから埋もれた足が抜けました。みんなホッと一安心。全員で取り組んだ共同作業の記念すべき出来事でした。
  更に話は続き、今度は啓生が埋まり何とか自力で足は抜けたものの靴が脱げて泣き出してしまいました。
「啓生泣いている・・・」と気付いたのは幸喜でした。 「助けにいってくる!」と早速動き出したのは理世。その後ろをついて行った幸喜。理世は手袋を脱いで啓生の靴の中に入っていた雪を取り除くとそのまま戻ってきて「雪が入ってたから泣いていたんだわ。」と、そのあとは啓生が自分でできると信じて戻ってきたようです。「自分でできることは自分でする」という理世の判断力にすっかり感心してしまいました。ちょっと時間はかかりましたが啓生は自力で靴をはき戻ってきました。(啓生にもその思いが伝わったようです)そして、最後まで見守っていた幸喜にも仲間に寄り添おうとする暖かい心を感じました。幸喜自身が助けられた時に感じたことで啓生の傍にいようと思ったんですね。困っている子が助けられた喜びを実感し、それを助けた子が人の役に立つ喜びを感じ、仲間の力を信じて見守る、そういったことを経験しながら心が育まれ、仲間関係も深まっていくのですね。(嬉しい成長です!)

子どもの成長、発達に欠かすことのできない山小屋。管理をしてくれている髙川勝さんは雪かき、屋根の雪下ろし、ドアの氷取りなどいつも子どもたちが安全に心地良く過ごせるように気を配ってくれていました。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

(藤原 記)

楽しみがたくさんつまった山小屋での毎日

かめ組

~林間コースであそぶ~
 去年、雪が少なくて楽しめなかった分、今年は林間コースで思う存分遊びました。
遊びは色々です。ソリ競争とソリに乗ってのオニごっこ。木の間をすり抜け、体と手を使ってカーブをし、また登る。この繰り返しの毎日が、かもめの子の体を作るのだと実感しました。
 男の子3人は、年長に混じってソリ競争。「いいかい?」「ヨーイドン」の号令で一気に滑り出します。みんなの顔は真剣そのもの。年齢が違っても容赦ありません。
「蒼士2位!」とガッツポーズ。幸大は負けて悔しがり、ソリから動けず首をぐったりかしげています。こうやってソリ遊びのスリルとスピードのとりこになるのでした。

~ブランコ作り~
 「幸大ね、ブランコのできるところ(ぶどうのつるのこと)知ってる」と言うのでみんなで行ってみると、確かに立派なツルがありました。どうやったらできるか相談すると「縄」「ブランコにする木の板」「ロープ」とブランコを想像し、必要なものがでてきました。それぞれ「家にあるか探してみる」と言う話に盛り上がりその日は終わりました。数日後、約束した「ブランコ作り」に取り掛かりました。
 『乗れそうな木』を探し始め、よさそうな枝を見つけた岳空と木乃花。要らない部分の枝払いをしていた所へ、年長の子が知恵をかしてくれました。足で支える係、木の折り方等、順番にやれば全員やれるよという方法を教えてくれました。
悠里「年長があんまり手伝ったらかめさんのブランコ作りでなくなるから!」と言われ手出しを控えていた年長児。その辺はちゃんと分かっています。「木の端っこをロープ(ここで木乃花と幸大の持ってきたロープとロープの出番です)でむすべばいいよ」
木乃花「この前すぐ足付いたから掘って雪かこう」と知恵を出し合います。
蒼士「幸大の長いスコップは、上の方にいて雪をよけて」と指示出しも。
直生は邪魔にならないように、ブランコを持っている役になったりと、次々と出てくる子どもたちの発想や考えに、共に作り上げる事でこんなにも意欲的になるのだと感じた。
 ついに完成したブランコ。乗るには高さが必要なので、足の踏み台用の雪もあるんですよ。何人も乗っていくうちに雪が崩れてしまうと、来美がそれを見てちゃんと別の雪を積み足していましたよ。「かめさんで作ったブランコ」と満足げに乗っていました。

(石田 記)

『森は生きている』山小屋合宿

くじら組

 2月7・8日に、6回目の山小屋合宿をしました。合宿を通して、子どもの自立や、仲間とのつながりを強め、集団として高まりを目指しています。時として、寂しくなり泣く子がいても、仲間同士励まし合うという姿が何度かあり成長を感じました。
 今回の合宿のテーマは、『森は生きている』です。午前中に16ミリフィルムの映画を観ました。笑いが起きたり、息を呑んで見守ったり、ホッとしたり、子どもたちの反応を見ていると様々な感動が伝わってきました。観終わると、早速「もえろ〜もえろ〜♪」と夢菜、銀士、晴吾が歌い始め、毎年年長が行なっているリズムを踊り、楽しさが溢れ出していました。最後のクライマックスのポーズを決める所では「2人は馬になって」「夢菜、上に立って」と、映画の感動が身体の表現につながり、それが、他の仲間にも広まり次々にいろいろなポーズが生まれていました。映画を観ていない、かに組にまで伝染し啓生までも「やりたい!」とポーズを決めていました。
 暗くなり始めると、お父さん、お母さん、子どもたちで作った雪灯りのなかでソリ遊び。幻想的な情景のなかを滑り下りることに感動していました。夕食は、チーズフォンデューに、鳥の丸焼き。『森は生きている』の娘にふんした濱田母が料理の説明をしてくれました。食べ終えると、デザートは外へ。イグルー内にはロウで造られた写真展、「これ、年長になったときのだ」「運動会で走っているところ」「どうやって作るのかなぁ」と感動と驚きの声が上がりました。さらに「これ氷でできてる!」と氷のキャンプファイヤーが造られその回りには、雪で造られた椅子のあるオシャレなナイトカフェ。ゆず茶とクッキーを、今度は違う娘さんが持ってきてくれました。新しく、増築した山小屋で、広々と寝られてお腹も心もいっぱいの暖まる合宿となりました。

(樋詰 記)

冬だ!山小屋だ!

 冬といえば雪あそび!今年はたくさん雪が降り、山小屋に行くのが楽しみでした。いざ、山小屋に行くとたくさんの雪。まずは雪踏みから始まり、それが終わると子どもたちは「こっから滑っていいんだよ」「ここもいいんだよ」とどんどんソリコースを作っていきます。年長はみんなが滑っているところの他にもコースを作っていて、「スコップ持ってきて!」「ちょっと一回滑ってみよ!」と声を掛け合いながら難しいコースを作っていました。コースが出来ると「見て!コース作った!」「難しいから滑ってみ?」とキラキラした顔で教えてくれる子どもたち。自分たちで作ったコースで遊ぶ。なんともかもめらしいな~と思いました。
 ソリ遊びも様々。みのりと勝乃心は急な坂の所でひたすら立ち乗りをしていました。最初は全然乗れなく、すぐに転んでいましたが、それでも何度も滑っているうちに下まで行くように!夢中でやりこむ姿はとても素敵です。
 ソリ競争では「当番で対決しよ!」「コマの色で分かれよ!」とチーム分けを考えて滑っていました。速かったのは陸、琥太郎。それに負けない!とみんなも必死に漕いだり、よく滑るソリを探したり「どうしたら勝てるか」を考えながら競争をしていました。

 初めて山小屋生活をした合田でしたが、1番驚いたのは何と言っても子どもたちの体力!ほぼ一日中外遊び。ソリ1つにしても滑る距離が長い分、登るのも長い。なんでも聞いた話では4kmだとか。それを何度も何度も登るのは大人でも大変です。雪遊びはこんなにも体力を使うのか!と大人の私も毎日ヘロヘロ。春からかもめに入り、子どもたちの体力には毎回驚かされていましたが、ここでの遊びっぷりを見て、なるほど。と納得しました。(もちろん、普段の遊びや海も含めて)
 他にも、動物の足跡をみて「何の動物だろうね」「きつねかな?」「どこ行くんだろう?」
と話が始まったり、夜雪にライトを当てるとキラキラするのを発見したりと冬の魅力も存分に感じた山小屋生活でした。

(合田 記)