2017年度 Vol4
数えきれないくらい泊まりたい!
4月22日は卒園式の劇の打ち上げの日でした。夜みんなで食事をしていると
「ねえ、合宿したいんだけど」と木乃花が真剣な表情で訴えてきました。他の年長の子どもたちも集まってきて「合宿やりたーい!」と猛烈にやりたいコールが続きます。
「わかった。考えておくよ」と答えると、「考えておくじゃない!明日やりたい」
こんなに楽しみにしていたなんて。なんだかすごくうれしいことでした。
4日後、初めての合宿。行先は赤岩です。
かめ組と一緒に電車とバスを乗り継いで目的地へ向かいます。まだどこへ行くのか知らされていない年長の子どもたちは、「どこ(行くの)かな?山かな?」「余市かな?」
登山口に到着すると薄紫色の花がいくつも咲いていました。
「この花の名前知ってる?」「う~ん?」ちょっとわからないよう。
「カタクリっていう花なんだよ」と言うと「カタクリ粉」と幸大。ピンときたんですね。
少し山道を歩いていくと「あった!あった!」
満開のカタクリが子どもたちを出迎えてくれました。ナニワズやエゾエンゴサクも咲いていました。この時期にしか見られない花を充分満喫したところで、年長は祝津までの山道をさらに進みます。
赤岩の切り立った断崖絶壁を見ながら「おーい、そんごくうー!」と叫んでいます。そこは紙芝居の中で見た孫悟空が生まれた岩そのものなんです。「よーしあの岩まで行くぞー!」岳空の声に力が入ります。
崖下に広がるエメラルドグリーンの海を見て「海の色が違う!」悠里の感動の一言。
気が付くとあっ!もうこんな時間(大人は次のお楽しみに時間が迫っていたので大慌て)。山を走るように下って祝津港へと向かいました。
「お~い」と3人の船員さんたちが手を振っているのが見えました。観光船「あおばと」と萌子が待っていました。慌てて乗り込むとすぐに出航。水しぶきと潮風を全身に浴びながら跳ぶように船は進みます。この日は萌子が船長。来美と愛歩は少し緊張気味。
エサを求めて飛んでくるカモメに「うわぁ~、うわぁ~」と声をあげながら、波で揺れる船のうえで、倒れないように体を支えながらのエサやりに大興奮。あっという間のクルージングに
「もう一回乗りたい」と名残惜しそうに船を下りたのでした。
「年長になった→髙川に(年長の)特別な本を読んでもらえる」ことが年長になった喜びと誇りになっているくじら組です。初合宿の夜は髙川に紙芝居「まえがみたろう」を読んでもらいました。
クライマックスになると瞬き一つせずのめり込んで聞いていた蒼士。どっぷりと紙芝居の世界に浸かった子どもたちを待っていたのは、紙芝居から飛び出してきたような火の鳥とまえがみたろうのいる夕食会場でした。 豪華な寿司ネタと高級感たっぷりの毛ガニが並ぶ手巻き寿司。刺身よりもいくら、納豆に人気が集中しました。
「酔っぱらうまで全部食べる」と言っていた直生は、ノンストップで食べ続け、咲良は刺身にきゅうり、卵をのせた手巻きをいくつも作って食べていました。満腹になっているのですが、まえがみたろうが岩山を飛んでいる場面を再現した(黒スポンジケーキとフルーツ)デザートをしっかりと食べて終了しました。
就寝前「さみしくないよ。みんないるから楽しい。」と岳空。みんなで過ごした一日は大満足だったようで、ほとんどの子が朝まで一度も起きることなく熟睡しました。
朝、目覚めたものの布団からなかなか起き上がれなき子、いつまでもパジャマ姿の子がいて、朝ごはんに間に合うのか心配な一面も見られました。散歩のあと、朝食の用意された部屋へ移動。
テーブルにはお母さんたちの用意してくれたオープンサンド。
合宿の準備をしてくれるお母さんお父さんたちは、子どもたちの合宿を盛り立てるためにいろいろなところで工夫をしてくれています。料理はもちろん、部屋の装飾やテーブルを飾るお花、箸置きやテーブルクロスなど手作りのものなどイメージ豊かな発想や多彩な才能が発揮され、本当に感心させられると同時に、どこでそんな時間を作ってくれたのかと感謝の気持ちでいっぱいになります。
お母さんたちと再会した子どもたちは、話したいことでいっぱいで、会話がとまりません。なんといってもカタクリの真似(体を曲げ腕を上に反らせて花を表現)には、お母さんたちも大喜びでした。
年長組は同じ釜の飯を食べることを経験し、仲間関係を深めていくことを目指しています。これから合宿や新しい体験を通して、仲間と共に育ちあっていきたいと思っています。
(石田)
大きなお風呂で大騒ぎ
2m四方の大きなお風呂と洗い場。サッと体を洗うと、飛び込みのように泳いだり、お湯を掛け合ったり、家族風呂だからできる解放感たっぷりのひととき。みんなで一緒に入れるお風呂はうれしくてたまりません。自分でシャンプーしたり、体もタオルでゴシゴシ!背中はどうするのかな?
「自分でできるよ!」と言っていた子もいたけれど、みんなで洗いっこしようと提案すると、次々と友だちの背中に手を伸ばし、まるでお猿さんの毛づくろいのようで、なんとも微笑ましい光景でした。これぞまさしく裸の付き合いの始まり始まり。
(藤原 記)
合宿の一コマ
坂井父作 火の鳥
明杖母作 まえがみたろう
柳田母作 くじらのランチョマット
中母作 かたくりの箸置き
まだまだ紹介できないものもありますが、今回はこのへんで。