2023年度vol34
~鬼を追い払え!~
節分という言葉には「季節を分ける」という意味合いがあります。2月4日は立春、春は一年のはじまりとされて特に大切にされていました。春が始まる前日の節分は、季節の分け目。悪いもの(邪気)が現れやすいとされることから鬼退治という風習が伝わっているそうです。給食では、鬼が嫌がるとされる鰯、おやつには海苔巻きも食べました。
さて、みんなの中にいる泣き虫鬼、なまけ鬼、やだやだ鬼、めんどくさがり鬼…やっつけられたかな?
<くじら組>
節分を前に、少しずつソワソワした雰囲気の子どもたち。ある日の昼食時には「あと2回寝たら節分だよね」と会話が始まりました。
颯大「今年は鬼と相撲して崖に投げ飛ばすんだ」
市村「えーっ。昨年もそんなこと言ってたけど、固まってたしょ~」
颯大「今年は大丈夫。…でもやっぱり鬼来ないでくれ~!!」(一同大笑い)
大介「オレも来てほしくないな」
市村「じゃあ鬼に来ないでって電話しておこうか。それとも楽しみにしてるって言った方がいいかな」
大介「イッチは前に鬼に捕まったことがあるから、鬼と話せるんでしょ?」
すると、道斗が「鬼~のパンツはいいパンツ~」「イッチ~のパンツはいいパンツ~」と歌い始めた。(見たことあるんかい⁉)
美波「あっ、みんなでパンツもトラ柄にしないとだめだ!」
夏帆「イッチってトラ柄のパンツなの?」
市村「鬼の仲間だと思ってる?」 夏帆「うん」
大笑いの市村です。わたしはいつから鬼の仲間になったのでしょう…。
今年の年長の鬼たちは、大鬼を小鬼の姿のままで会って、豆を投げるんだという案も出ました。そして鬼の仲間に入れてもらう構想のようです。なかなか面白い案!上手くいくといいんだけど…(笑)
さて、節分当日。年長は手作りのお面と衣装に身を包み、小鬼に扮してあさり・しじみ・いくら組へ出陣!!思い思いのお面に衣装、誰が誰だか分かりません(笑)。初めはなんだか団子状態で静か~な小鬼たち。いつもの威勢は…⁉石川「今年の鬼さん、元気がないね~」の一言に火が付いたのか「ウォ~~」と声をあげながら先陣を切ったのは道斗。それにつられて「ウォ~~」と金棒を振り回し、小鬼たち突撃開始。大暴れの暴れん坊!なかなか激しい小鬼たち。
3人目の鬼?やまんばかな?
最後の最後はかめ組に追い払われ、鬼の巣(くじら部屋)へ戻ってくるや、「もう一回行こう」と再度突撃を試みている。ホールにかに・かめ組が揃ったタイミングで、また「行くぞ~‼」と気合いを入れた瞬間…
くじら部屋押し入れの扉がガラガラと開き、そこからなんと大鬼が出てきた‼大鬼と小鬼が鉢合わせました。さあ、もう小鬼たちは大変です。突撃どころか豆を持つのも忘れ、必死な形相で逃げています。そうこうしているうちに、もう一人の大鬼がホール納戸の扉を開けて姿を現した!もう豆なんか投げられない!気づくと初乃はどうしても鬼から逃げたくて、年長部屋の押し入れへ入ろうとしている。(そこは鬼が出てきた場所だよ~‼逃げるスピードの速いこと、いつもの数倍です笑)
納戸からのぞく大鬼
美波は逃げている途中に転んでしまい、腰が抜けたのか立ち上がれない…。
やっとの思いで何とか鬼を追い払い、ホッとしたのか顔が疲れたような(⁉)子どもたち。この前まで「鬼と相撲を取って崖に投げてやる」とか「鬼と仲間になる」とか言って息まいていた姿はどこへやら⁉(笑)でした。その後から子どもたち、ちょっと押し入れや納戸が怖いみたい。扉が閉まっていると「鬼がいるのかな」「イッチ―が閉めたの?」と聞かれます。市村「あけてみたら?」子「いや、いい。いい。鬼いたら怖いから(笑)」鬼はどこから入ってきたのでしょう。ちゃんと退治できたのかな⁉また出てきたりして…(出てくるのは市村鬼かな)。
「怖くて逃げるのに必死で、鬼とは仲間になれなかった!!」というくじら組でした。
(市村 記)
鬼を外に追い出したぞ~!
<かめ組>
山小屋で生活中のかめ組。昼寝前に“豆まき”を歌ったり鬼が出てくる絵本を読むと「前に山小屋に鬼が来たって聞いた」「あと〇回寝たら鬼が来る」と節分話で盛り上がっていました。「いつ来るかわからないよ?明日かもしれないし今日これから来るかもしれないよ?」と言うと、一気に青冷める子どもたち。意地悪鬼の志部谷です。
いよいよ節分当日。豆が準備してあるのを見てなんだかソワソワ。リズムが終わって部屋に戻ると…!?なんだか乳児部屋が騒がしい!小鬼が来たことを察知し、かめ部屋にいたはずがいつの間にかかに部屋に集まって団子になっている子ども達。金棒や包丁を持った小鬼たちが登場するとその迫力に後ずさりしながらも「鬼は外!」と豆を投げる姿はさすがかめ。頼もしいです!!「やっつけろー」の樋詰の掛け声に立ち上がったのは麻礼。なんと、小鬼の持っていた金棒を奪おうと立ち向かい取り合いになりました。麻礼と小鬼の激しいバトルに豆を投げるのを忘れて応援してしまうほど白熱。金棒はとれなかったけど、小鬼は逃げて行きました。後で麻礼に聞いてみると「鬼に山に金棒を持って帰ってほしくなかったんだ」と話していました。麻礼のすごさに「おぉ~」と歓声があがっていましたよ。
小鬼が帰り、ホールでほっと一息ついていた所に…叫び声と共にすごい勢いで年長が部屋から飛び出してきました。その瞬間にはすでに給食室前まで走って行っているかめ達。すごい危機察知能力ですね。暴れまわる大鬼にさすがのかめ達も泣き出しました。捕まりそうになり、震え上がる楓太。そこに今度は押し入れからもう一匹の大鬼登場!!豆を投げるどころじゃない!!全力で走って逃げ回ります。リズムの時もこのくらい大きくホールを使って走ってほしいと思うくらい(笑)志部谷の服にしがみついて後ろに隠れる椰々と九重。しかし、かばってもらうどころか「豆投げてきて!」と前に出されて大号泣。やっぱり志部谷は鬼でした。泣きながらも2匹の暴れ鬼に豆を投げ、何とか追い払うことが出来ました。逃げ回って汗だく、喉はカラカラ腹はペコペコになったかめ達。いつもの食いしん坊に戻って落花生を食べていましたよ。まだまだ続く山小屋生活。風邪に負けず健康でたくさん遊んで過ごせますように!!
(志部谷 記)
<かに組>
節分の朝、「旭音来た~」と喜んでいる菜緒。前日まで休んでいた旭音に「豆入れる箱いるよ」と何のことかわからない旭音に教えています。山小屋で節分のためにみんなで作った三方(箱)をかめ組に教えてもらいながら当日の朝に作りました。その三方に豆を入れ始めると灯矢「もう鬼来るの?」碧「いっぱい入れて」伊織「伊織も早く入れて」と来ました。理大朗「菜緒の方が多い」夏井「そんなことないよ」見るとあふれるくらい入っている。菜緒「あげるか?」よく見ると家から作ってきた箱もあり、菜緒は2個あったのでした。梛人「梛人にも入れた?」と豆があるので安心した様子です。
箱を部屋に置いて先ずはリズム。その後外に出ようと部屋に戻ると「ウワァ~」と突然の小鬼が部屋に入ってきました。逃げ惑う子どもたち。碧はもう大泣き。旭音は泣きながらでもぶつけ、他の子どもたちは果敢に投げつけていました。
ようやく小鬼が年長部屋に戻り様子を見に行く灯矢。ホールで少しほっとしていると年長部屋から小鬼が勢いよく飛び出してきたからまたビックリです。なんと、年長部屋の押し入れから大鬼が出てきたとの事。「わ~」とマットの方へ逃げると今度はホールの押し入れからも大鬼登場し、怖かった小鬼と一緒に子どもたちが逃げる、逃げる。大人も逃げ回る。梛人と灯矢は涙をためて、菜緒や伊織は必死で逃げる、理大朗はこわばった表情で逃げるのが精一杯。旭音は「豆がない」と泣き、碧「怖い~」と泣き、それでも逃げ足が速い、速い。鬼を追い払うためにドアが開いた瞬間、鬼よりも早く一目散に飛び出す碧と灯矢。裸足で雪山をどこまでも駆けて行ってしまうのでした・・・ 。前日の「やっつけてやる」「ロケット持ってきてやっつける」「エイエイオー!」と息巻いていた子どもたちはどこへ・・・。大鬼は初めての体験で想像を超えていた事でしょう。鬼が逃げて行った後は「泣かなかった」と理大朗。「俺も」と梛人。それに伊織と灯矢も入り自慢し合っていましたよ。落花生は皆で集まって沢山食べていました。
(夏井 記)
<あさり組>
「もうちょっとでかもめに鬼来るんだよ」と何日か前から言っていた子どもたち。豆箱に豆を入れてると年長扮する小鬼が襲来!初めは鬼たちが静かに入ってきたのであさりも距離を取りながらも「鬼は外!鬼は外!」と豆を投げます。すると「うぉ~~~!!」と威勢よくなった鬼に子どもたちの表情は一変。「怖い~~!!」「ぎゃーーー!」泣き顔に変わりました。特に旺祐は「来ないで!来ないで!」「やだやだ!」と大騒ぎ。手袋や帽子がかけてあるラックに隠れ、いなくなった後も「やだ~~!!」「(ドア)開けないで!」と必死に訴えていましたが、みんなが鬼の真似をすると「おにだぞ!」とマネをしていましたよ。
空は泣きながらも床に落ちた豆を拾い、気づいたら空の箱は豆が大盛り。終わった後はずっと豆を食べ続け、「美波、大好きなのに(鬼になってて)怖かったぁ」とぽつり。いつもはあさり組にやさしい年長も今回はいつもと違う姿にびっくりしたんですね。
昼寝後、「鬼怖かったけど泣いてないよ」「次来たらどうする?」「やっつける」と強気になっていたあさりさん。鬼を退治して心が強くなったかな?
(佐生・湊 記)
<しじみ組>
しじみ組は、まだ鬼の存在を分からないと思っていたのですが、年長鬼の登場に「ナニカ、キタ!?」と一瞬にして異変を感じ直ぐさま部屋の隅へ寄り集まり鬼の猛攻撃を受けました。「ア~痛い、ア~痛い」そう叫ぶのは、阿部。身体を張って子どもたちを守り叫んでいました(ありがとう、阿部ちゃん!)「うおぉ~あ~」の声に昂樹と輝歩は泣き、他の子は、声も出ず顔はこわばって豆を投げるどころではありません。
その中で一生は、去っていく鬼の後ろ姿に豆を投げ「オ~!一生!!」と声が上がる場面がありました。その後、何事もなかったようにみんなで豆をボリボリ食べましたよ。午睡明け、諒「オニコナイ?オニコナイ?」と不安気に…。「もう、大丈夫だよ。」の一言で落ち着いた様子。それにしても、今年の鬼は、大暴れてして行ったなぁ~。
(石田 記)
<いくら組>
「鬼が来たら豆を投げようね」そう話して豆を渡すと、鬼が来る前からポイポイ豆を投げる楓音です。あさり部屋が騒がしくなりいくら部屋からのぞく子どもたち。小鬼がいくら部屋に来ると、真白は後ずさりして尻もち、麦は窓際で立ちつくして泣き、豊嘉は座り込んで泣き、柏とあかりは泣きながら部屋の奥に逃げて行きました。
気分は「オニだぞ~」
詩樹はへっちゃらのようで豆の箱を片手に持ち楽しそうでしたよ。いくらさんが凄く泣くので、優しい小鬼さんたちは長居せずに帰って行きました。鬼がいなくなると楓音はいくら部屋をかけ降りて豆を投げにいきました。鬼が忘れた黄色いセロファンを拾った柏は顔に当てて鬼のまねっこ。「こわいこわい」と大人が逃げると喜んで寄ってきました。それを見てまねっこ好きな麦や楓音や豊嘉も顔にくっつけて気分はすっかり鬼、部屋の中を歩きまわっていました。怖かったのに楽しい節分になったね~。
(鈴木 記)