2015年度 Vol25
高川の保育日誌
やってみて 話し合って みんな真剣
「やり抜く力」に信頼する
(9月24日)
昨日、紅白のチーム分け後、初めての「障害物」をホールで行った。みんな、これまでになく意気が高い。
亜季が「大縄」をくぐれず、何度も挑戦するが、どうしても引っかかってしまう。口惜しさから泣き出してしまい、ついには座り込んで大泣き。みんなが「亜季、頑張れ!」を連呼する。そんな応援が暫く続いたが、リレーのために、かめ・かに組を公園に待たせているので、みんなには公園へ行ってもらった。
亜季は1時間くらい経って、ようやく泣き止み、「縄、回して」と言ってきた。「みんなにも謝りたい」と言っていたので、昼食後に、「みんなは、なんて言ったの?」と聞いてみたら、「春太にしか言っていない」と。
春太には、気持ちをさらけ出せるんだね。
(9月25日)
リハーサル後、本番通りに竹登りをやる。お父さん・お母さんにロープを引っ張ってもらい、次々に登る。こんなの簡単… とばかりに、アッという間に上ってしまう子、まだ力を付けなければならない子など、さまざまだ。
亜季はとても苦労してる。手も足も汗まみれ。ホールの竹にもチャレンジするが、それも思うに任せない。でも、頑張っている。(後で聞いたのですが、亜季はお父さんに「竹を買ってきて欲しい」と頼んで買ってもらい、家でも竹登りに立ち向かったそうです。大縄はスムーズに跳び抜けられるようになりました。みんなが持っている「やり抜く力」、これを信頼することがポイントだと、子どもたちに強く気付かされます。)
みんなが 思いを出し合う
(9月28日)
赤組・白組ごとに分かれての話し合い。
【赤組の話し合い。(高川)】
杏実「友輝、竹、速く登れないからやってよ!」
友輝「分かった。今、やってくる」
百紅「今は、赤組でどうするか話しているんだから、いなくならないで」
楓「自分のことばっかり考えたらだめなんだよ。自分のできないことを話そうよ」
友輝「友輝、やっぱり竹登りしてくる」
杏実「みんなのこと 話しているんだから… 」
百紅「みんながどうするか 話した方が良いよ」陽智「アンカー、今日 決めようよ」
百紅「三日(あと?)が良いよ」
杏実「二日(あと?)が良い」
陽智「今すぐ決めた方が良い。運動会、もうすぐなんだから」
友輝「陽智はスピードがあるから、アンカーになれば良い」(アンカーを希望していた友輝だが、考え直したみたい)
百紅「最後の人がスピードがあるか、関係ないしょ。みんなで走るんだから。百紅は一回しかアンカーしてないから、アンカーになりたい」
高川「アンカーになりたい人ーっ!?」
全員「ハイッ! ハイッ! 「ハイッ!」
話し合いをして、後日 決めることになる。
【白組の話し合い(谷)】
壮「奈子、戸板やってね。瑞歩は何でもできるな~」
亜季「瑞歩はいっぱい練習しているもの」
谷「亜季は、大縄 引っかからなくなったけど、どうして?」
亜季「いっぱいやったも。家でもやってた」
春太「壮、引っかかるんだから、練習してよ」
壮「わかった。でも、家ではできないしな~。長い縄 ないし、出かけるし、暇もない。鉄棒も心配」
亜季「外に出たとき、(園庭の)鉄棒やればいいっしょ」
奈子「戸板 時々こわくなるから、心配だからもっとやる」
瑞歩「瑞歩は全部できる」
谷「全部できる人はどうする?」
壮「見てる」
瑞歩「もっと練習する」
話し合いの「効果」てきめん
(9月29日)
年長が園舎ホールで縄跳びをやっている。
高川「速くきれいに跳べたと思う人、手を上げて」(半分くらい… かな)
陽智「ドンドンしてたしょ」(軽快に跳んでないよ、との指摘だが、小声なので聞こえない)
百紅(前に進み出て)「友輝は体を前に倒して(前傾して)足音がドンドンしていたからきれいでないと思う」
杏実「壮も体が前でドンドンしてた」
高川「壮も友輝も、いま注意されたことに気をつけて、もう一度 跳んでみて」
友輝はスピードが上がり、足音も軽くなる。仲間に指摘されることで、こうも変わるのか… と驚く。
母が 縄編みに学んだこと 和賀 恭子
( 不真面目な文体ですみません m(_ _)m )
他の子達がどんどん出来上がっていく中で、何故か進まない百紅の縄編み。
変だな~~、何でだろ~~とは思うけど、まぁいいかと思考停止。百紅は百紅だし、仕方ないやー。やればできる子なんだけどね。やりたくない事もあるよね~~。
なんて母は達観した気でおりました。
懇談では百紅の縄が進まない事に対して「パッションが足りない。何故もっとやりたいという意欲が湧かないのかな~~?」とぬけぬけと宣ってみたり。
そして、家に帰って、ワレに返るのです。
ひょっとして、情熱が足らんのは… 私… か?(笑)
そういや最近、普通に幼稚園に通った自分も普通に育ったしー、かもめで一つくらい出来なくても別にこれから一生困る訳でもないさ~~。
という諦めたような投げやりな気持ちがどうも心の中でムクムクとくすぶっているのを感じておりました。
これもある意味では子供の将来を長いスパンで見るのびのびとした良い視点とも言えなくもないと思うのですが。
でも、なんか言い訳っぽくて引っかかるのは、なんでだろう?
久々にちょっと考えてみて、出た答えは… 。
子供に対してそんなドン引きの広い視野とか今は要らない。もっと近視眼的に貪欲に一緒に楽しめ! もっともっと百紅を想って、やれる事やってから初めて諦念だの達観だのしてくれろーという。
そんな気持ちで転がる小学生文化グッズや人形を整理して、かもめの年長として成長するももちゃんを楽しみにしてる!って大声で言って、高川とか谷とか子供達の暖かい気持ちのお陰で、ようやく縄が、出来た。
ドラマがいっぱい詰まったイケイケの縄だ! よっしゃー!
そして跳ぶ練習への情熱が半端ない。(笑) 彼女も私も今しか出来ない事をしてるから、だからもっともっと真剣に百紅の年長の一年に注力しようと、そう思い直した9月。
もう、10月かよ~~! とほほ!
前号のかもめニュースを読んで 中里朋子
年長は、あんなコトを話せるようになったんですね。すてき!
(9月30日)
百紅は縄編みにかなりの日数を要したけど、お母さんの見守りと仲間の後押しもあって、遂にやり切りました。その”やりきった”感が百紅を大きく変化させ、その成長ぶりには目を見張るものがあります。
かもめが、「縄を編んでいる間は、子どもを信頼して、子どもに任せて!」と強く要望するのは、その間の試行錯誤こそがポイントで、そこを自力で這い上がることがその後の成長を促す、と考えるからです。
そして、縄編みに限らないのは言うまでもありませんが、子どもを見守るためには親子の共感、親子の会話というベースが必要で、かもめニュースや日誌の中で、日中の子どもの様子を克明にお知らせするのは、その素材を提供したい、という思いからです。
前号のかもめニュースのあと、子どもたちに「お母さんやお父さんとどんな話をしたの?」と聞きました。何人かの子どもから、「おはぎ作った」、「おはぎの餅米を買いに行った」というような話をしてくれました。
保育園での出来事をタネに家族が話し合い、共感し合い、そして誉める(認める)。親子の愛情が深まり、子どもが成長する。それが保育園でのより質の高い仲間関係を促す。家庭と保育園の環流、そんな理想型を描くのです。
話誕生日プレゼント リクエストは ネコ ?!
(濱田弦希のおじいちゃんの、HBC「カーナビラジオ午後一番」への投稿 -抜粋-)
先日孫の5歳の誕生祝を行いました。(娘の二男です)
例年、孫たちからは、ゲームソフトとか流行のキャラクターなどのリクエストがあるのですが、今年はとてもユニークなリクエストがあったのでメールした次第です。
孫は銭函にある結構有名な保育園に通っています。(かもめ保育園・・・名前を出していいのかわかりませんので)
この保育園の教育方針は、自然の中で学び、自然のものを食べる「食育」をテーマに運営しています。
夏は銭函の海岸にある海の家で一日を過ごし、冬は山小屋で一日中そり遊び、ロープ渡りなどをしています。
全員真っ黒に日焼けし、たくましく育ち、まるで「自然児養成所」の感があります。
またこの保育園ではキャラクター品は原則禁止で、服も無地が多く、親からのプレゼントも流行のものは一切禁止のようです。
そんな中、孫からのリクエストは、
なんと!!「工事に使う一輪車(通称:ネコ)」でした。5歳の子の欲しいものが、工事用一輪車とは! 驚きを通り越し吹き出してしまいました。
いつも保育園でおもちゃ代わりに使っているのですね。(孫が楽しそうに一輪車を押している写メを添付します。)(略)
ちなみに両親にリクエストしたのは、自分専用のフライパンなどの調理用品でした。
(記:高川)