2009年度 vol30
(高川の保育日誌から)
親子が心を寄せ合い、知恵を絞り力を出し合う、各種行事でそんな取り組みをしています。保育参観、公開保育、運動会におけるそんな取り組みをご紹介します。
親と子が力を合わせて
《風船落とし (公開保育で)》
紙風船を腹につけ、チラシを丸めて作った棒でお互いに相手の風船をたたき落とすという遊びです。普段は自分たちで折りあげた風船を使いますが、本番では市販のものを使いました。
遊んでいるうちに、棒の固さが勝つための決め手になることに気がついた子どもたちは、いかにして固い棒を作るか、試行錯誤しながら棒づくりに励みます。長さも重要です。紙の材質がモノを言うことも分かってきます。棒づくりに、燃えに燃えます。
強い棒を見ると、「教えて!」と迫ります。
「ウン、いいよ」とあっさり教える子。
「これは勝負だから、秘密」と必勝をねらう子。
強い子の紙の巻き方を真似ようと真剣に見入る子。さまざまです。
《紙飛行機大会 (保育参観で)》
紙質も大きさも自由。いかに遠くへ飛ばすかがポイントです。
「家族大会なので、お父さん・お母さんと相談して、遠くまで飛ぶ飛行機を持ってきてね」と話すと、
「おじいちゃんのところへ習いにいってきた」
「お父さんがパソコンですごく飛ぶ飛行機みつけたよ。だから、一番とぶんだ」
「兄ちゃん学校で優勝したから、教えてもらったんだ」
それぞれが、”自分こそ一番”をアピールして飛ばします。
前日までは、響のが断トツに優勢でした。髙川も”昔とった杵柄(きねづか)”とばかりに飛行機を作りました。それを、ホールの端から飛ばしてみると、渡り廊下の端にぶつかって再びホールに舞い戻るという長距離飛行。”まだまだ、子どもに負けないわ”と自信を深くしました。
当日は、子どもの部、お母さんの部、お父さんの部、家族の部(家族対抗)といろいろな部門を設けました。
お父さんの部では、参観に来ていた雄斗のお父さんが軽々と優勝してしまいみんなを悔しがらせました。
ちなみに、自信満々だった髙川は、全然飛ばず、”こんなはずではない”と、焦りまくって何度もトライしたけど最後までダメで、ガックリ。
紙飛行機大会は、2月の「みんなで遊ぼう」でもやります。研鑽を積んでおいてください。
《家族大縄跳び (運動会で)》
年長の春は、園舎の中でも外でも大縄跳びが盛んです。150回跳んだ、200回になった、と跳ぶ回数が増え、上達をみんなで喜び合うのです。
その大縄跳びが、運動会のプログラム(親子リズム)に入れられました。年長はヤッパリ大縄跳びだ、ということで運動会の10日前に変更したのです。
子どもたちは普段から大縄跳びで遊んでいるので心配はありませんが、問題はお父さん・お母さん。うまく息を合わせられるかどうか。朝晩、時間を見つけては大縄跳びをやった家族がいっぱいだったようです。
普段は上手に跳べるのに両親の回す縄に調子が合わず引っかかってしまい、親に抗議する子。
お父さんが”我が道を行く”とばかりに振り回す縄に必死についていくお母さん。
ケンカしながらも、最後は3人の息がぴったり合うようになり、観客の喝采を受ける家族。
「家族の大縄跳びは、”家族図”を見るようで楽しかった」という声に同感です。
中に、「大縄跳びは、夫婦喧嘩の原因になるのでやめて欲しい」という「訴え」もありました。冗談半分なのでしょうが、真面目な担任はそれを真に受けて、「家族の和を願ってプログラムに入れたんだけど…」と憮然としていました。
楽しかった~! ― 運動会の感想 ―
・年齢ごとの発達程度がわかり、参考になった。(初参加の親)
・うちの子も年長になれば障害物競走ができるようになるのだろうか。
・孫が入園してから4年、年長の障害物競走を見て涙を流してきた。今年はいよいよ、うちの孫が年長。どんなに泣いてしまうかと思いながら見ていが、”これもできた””あっ、こんなこともできるんだ”と感心しているうちに終わっていました。初めて、涙なしに見られました。
・孫が「かもめ」に来ているお陰で、72歳にもなって、「竹踊り」をしたり、水泳をしたり、ポルカ、大縄回しと色んなこと楽しませてもらってありがとうございます。とっても幸せです。
・竹踊り、よくぞやってくれました。これを初めて観たのは、40年前のベトナム戦争の最中にベトナム歌舞団が日本に来て私も関わった時。2年前、ここで竹踊りを観て、その時の感動が甦って胸が熱くなり、踊りに駆け込みたい思いに駆られました。2年間、そんな思いを胸に抱いていましたが、今年、孫の最後の運動会に竹踊りができて大満足です。
(以下は、元北の星白石保育園長・森さんと元 埼玉さくら保育園・花田さんから寄せられた感想)
・楽しかった。子どもたちも、お父さん、お母さんもすごかった。
・人数の少なさを全然感じさせない。あっと言う間に終わったという感じで、見応えあった。
・ソーラン節、すごいね。真剣に取り組んでいて、心を打たれた。
・プログラムの構成が面白い。
・認可園はどこか枠にはめられるけど、かもめは共同保育所の自由さが随所に現れている。
・親たちのリズムが上手だね。
・知らない人ばっかりで、名前で応援できないのは残念だったけど、思わず力こぶが入ってしまった。
・走る・踊る、リズム、全部に親たちが真剣に取り組む姿。子どもたちによい影響を与えていると思う。
・竹が高いので、どこまで登って下りるのかと思ったら、上まで登るのでビックリした。どうしたらあんなに高い竹にのぼれるの? 他園よりも1mは高いと思うよ。
・縄跳びには驚いた。縄を編み上げてから1ヶ月も経っていないというのに、どうしてあんなに速く走れるんだろう。やっぱり普段の生活が違うってことなんだよね。
・丸太渡りにもビックリ。ツルツルしている丸太をどうやって渡るのかと思っていたら、それどころか、一番高いところでUターンして下りてくるじゃない。あんな難しいこと、どこの園だってやっていないよ。他所(よそ)では、滑り止めに丸太のあちこちに皮を残してるんだよ」
(かもめの丸太は、予算がなかったので古い電柱を払い下げてもらったもの。だから、初めからツルツル)
・(運動会が終わったグランドで後片付けに精を出すお父さんたちを見て)
「すごいね! こんなにやってくれるって、すばらしいお父さんたちだね」
(そう。お父さん立ちの協力があるからかそ、かもめの運動会はあるんです)
ある日ある時
おばあちゃん VS 双子の孫
《第1ラウンド》
優佑「おばあちゃん、なに怒ってるの」
祖母「なんも怒っていないよ」
優佑「いや、怒った顔してる」
(それを聞いていた、双子のもう一人の孫がオモチャの”打ち出の小槌”を持って割り込み、それを振り回しながら、”呪文”を唱える)
駿佑「優しくなーれ! 優しくなーれ!」
祖母「(≧ヘ≦) ムゥ ……」
《第2ラウンド》
(おばあちゃんの物言いがチョッとせっかちだったらしく、それに答えて曰く)
駿介「自分で考えられるから、駿介にも時間ちょうだい!」
祖母「(>_<)…」
《第3ラウンド》
(第1幕)
祖母「優佑も駿佑も悪いことしないでね。アンタたちがお父さんやお母さんに叱れれているのを見てるの、おばあちゃん、悲しいもの」
(第2幕)
あんまり言うことを聞かない孫たちに
祖母「おばあちゃんの言うこと聞けないんならお父さんに言いつけるよ!」
孫「エーッ! おばあちゃん、悲しくなりたいの?」
祖母「……」
おばあちゃん 3連敗の弁
「先生、聞いて!”年寄りっ子は三文安い”って言うけど、もう、ホントに口ばっかり」
(成長のあかしですよ ― 観客席 ― )
葉っぱの運動会
あさり組みと一緒に春香小屋を越えて上の方までブドウ取りに行った。
木々がすっかり色づき、葉がヒラリ、ヒラリと舞い落ちる春香通りの坂道を登っていく。
と、一陣の風がにわかに吹きつけてきて、葉っぱが乱舞した。
彩世「ワァー! 葉っぱの運動会だ~。」
和弥「赤勝て! 黄色勝て!」
みんな、「赤勝て! 黄色勝て!」と、両手を広げ、葉っぱと一緒になって踊り出した。
風が止み、踊りもおさまったとき、
亮佑「運動会に、葉っぱ あったかな~」
と考え込んでいた。 (10月16日)
海の七変化(しちへんげ)
保育園から少し歩くと海が見えてくる。来てみると、空も海も鉛(なまり)色にくすんでいる。
亮佑「海 (いつもと)ちがう」
愉知郎「雲も怒っているから真っ黒なんだって」
(そうこうしているうちに、太陽が顔を出し、空も雲も海も一瞬にその色を変えた)
彩世「ウワ~、海がかわった。きれいだね」
亮佑「海が緑になった!」
和弥「青い海もあるよ」
愉知郎「キリンさんだ。ゾウもいる!」
艦太「シマウマ!」
亮佑「アッ、海坊主がいる!」
陽光と海水がどう関係するのか、海面に描かれる様々な色模様に、みんな声を上げて喜ぶ。
愉知郎「空がピンクだー!」
水平線を染めるピンクの細いラインを見逃さない。
空と海の色の変化に心が弾んできたか、和弥が「かもめの水兵さん」を歌い出す。昇己も続く。 (10月15日)
キュウリ、畑に出現!
(それが誰だったか、チョッと思い出せないが)
「髙川、たいへんだー! 畑にキュウリがあるよ」
「そうだね。年長さんが植えたんだよ」
「(?_?)……」
なぜキュウリがスーパー(?)でなく畑にあるのかわからない、キュウリが畑にあることを当然視する大人も解せない(?)
どうも納得しかねる、という面持ちでその場を離れていった子がいた。(あさり組)
(記 高川)