2005年度 Vol29
高川の保育日誌 〔8月25日〕
一歳児の目に映る美しさ〔8月12日 くじら・かめ・しじみ組〕
海辺で遊んでいて、用事があって園舎に戻るとき、陽太の散歩をかねて一緒に戻りました。
園舎に入るなり、「見て、見て、見て、見て」と天井に吊した「天の川」を指さします。「きれいだね。年長さんが作ったんだよ」と言うと、今度は髙川の手を引いて玄関に導き、花瓶の花を指して「見て、見て、見て」と言います。「きれいな花だね。赤も白もあるね。」と応えると、”そうだろう”という顔つきで満足そうにしていました。
今朝コスモスを加えて彩りを変えた花瓶の花に気がついてくれるなんて!
陽太は、ピアノや歌が聞こえてくると、どんなところにいてもリズムをやり出します。そんな陽太に、また一つ素敵な感性を見ました。
かに組 「ガニ泳ぎ」をマスター
(小島が合同リズム引率のため、代わって髙川がかに組の保育に)
保育園から一番近くにある「海の家」の前浜で遊びました。そこは、遠浅で、澄んで、波もない格好の遊び場。もう秋、でもないのに誰もいない海は、かもめの子どもたちの独り占めです。
「どこまで行っても、こんなに浅いよ!」と呼びかけると、みんな一斉に歓声を上げます。
武琉は、思いっきりダッシュしてきて滑り込むように身体を投げ出して泳ぎ始めました。完全に脱力して浮いています。何度も何度も楽しそうに泳ぎます。成長の証を見る思いがしました。「たっけ、すごい! みんな見て、見て」と言うと、章人がそばにきて、
「章人、泳げるけど、泳がないモン」
「ホントに泳げるのかな」
挑発に乗った章人が、勇気をふるって「ガニ泳ぎ」(両手を底について脚をバタバタさせて進む)を始めました。央都が続きます。そして百合香。「百合香も泳ごう」と身体を水に伏せました。顔を上げて、「百合香、初めて泳いだの」と感激の面持ちです。多分心臓はドキドキなのでしょう。それから長いことガニ泳ぎをしていました。
詩穂が、「詩穂、波がかかっても泣かなかったんだよ」と、深い息を吐きながら、必死で砂に手をつけています。気がつけば、摩梨子も泳いでいます。
ラッコのように
かめ組がかに組に合流。それまで陸で遊んでいたとのことで、水を求める魚のように海になだれ込んでいきます。どの子も水が平気、ラッコのよう。気持ちよさが伝わってきます。
雄太は、潜っては顔を上げ息を吐き、また潜っては息を吐く。息継ぎをマスターしました。敢大も、イイ線いってます。一週間ぶりに見た子どもたちの進歩に目を見張る思いです。
向陽と直輝は、「空が茶色に見える」と言いながら、悠々と海に浮かんでいます。向陽がクルッとひっくり返って潜ったかと思うと、「エビ つかまえた」とかざして見せます。お見事!
ちびっ子も みんな海の中
午後、全員が遊んでいるところへ遅れて行ってみると、あさり組もしじみ組も楽しげに海とたわむれています。夕方、少し波が出てきたけど、遠浅なので子どもたちも安心なのでしょう。
芽生が海水で顔を洗っています。
海に入っているあさり組、浅野にじゃれついています。
海を怖がっていた子どもたちが、すっかり海好きになりました。
少し黄ばんできた陽光を浴びて波とたわむれる子どもたち、絵の世界見るようでした。