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かもめニュース

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2002年度〜2006年度

2003年度 Vol42

「かもめ灯台」完成!

 みんなが完成を心待ちしていた「かもめ灯台」が、ついにできました!白い外壁と青い屋根の八角の塔。「ただ渡るだけでなく、子どもが遊べて夢を感じられるものをつくってやりたい」という思いを形にしてくれた村田設計士さん、その青写真に共感した理事さんや父母、保育士、そして工事に関係したみんなで造り上げた「かもめ灯台」です。

 床は暖かい感じのフローリング、壁は木の香のする腰板と白のビニールクロス、そして、集成材の螺旋(らせん)階段。登りきると、本を読んだり、絵を描いたり、縫い物をする広いスペースがあり、隠れん坊をする秘密の場所もあります。

 工事中に放火されるという忌まわしい出来事がありましたが、みんなの気持ちはむしろ一層まとまり、多くの方々の激励に支えられて完成を迎えました。「かもめ灯台」は、離れていた建物を一つにつなぐだけでなく、かもめに連なる人々の心を一つに結びつけ、ここで育つ子どもたちの心のよりどころともなるでしょう。
 「たくましい心と身体を育てる」保育への条件がまた一つ整備されたことについて、支援の手を差し伸べていただいた皆様に心からのお礼を申し上げます。

ツリーハウスと木炭のご馳走!
- クリスマス会 思わぬプレゼントに子どもたち大喜び -

歌う側が楽しんだコーラス


~名付けて「森の聖歌隊」~

 12月19日は「かもめのクリスマス」。子どもたちは催しの中身を知らされていません。まずは「森の聖歌隊」のコーラスです。メンバーは保育士と母親たち、OBの大木父・母、それに高川おじさん。衣装は、黒の上下と黒のベレー帽です。色は黒に統一されていますが、借り着・借り帽(?)もありで、形(なり)はまちまち。それでも、胸に付けたお揃いのコサージのお陰で様になっています。歌の方も、にわか練習にしてはなかなか聞かせます。「赤鼻のトナカイ」「サンタが街にやってきた」では、大木父の軽快なドラム・ブラシが加わり、子どもたちも楽しそう。でも、どちらかというと、気持ちよく歌った合唱隊の方が楽しんだようです。”もっと歌いたい。また、いつか!”なんていう声も。

「かもめ灯台」に 驚喜乱舞


~大喜びの子どもたち~

 そのあと、完成した渡り廊下(「かもめ灯台」)のお披露目ですが、子どもたちも親も、内部がどんな風に仕上がっているか知りません。”渡り初め”は、小さい子から順番に。
 ナニガ アルノ?という面持ちで足を踏み入れるやいなや、「ウオーッ」「ウワァーッ」と動物の咆吼(ほうこう)のような叫び声が上がります。驚喜して走り出し、螺旋階段を駆け上り、また下りての繰り返し。親たちからも子どもたちに負けないような歓声が上がり、中には感極まって涙ぐむ顔も。予期しない困難をくぐり抜けてきただけに喜びもひとしお、親も子もなかなか興奮がおさまりません。
 「子どもの歓声を聞いただけでも、今日、来た甲斐があるなぁ」と、大木父の感じ入ったような一言。子どもたちのお気に入りの場になりそうです。

かもめのヒナたち、大きく育って!


~5羽のヒナは年長さんをイメージ。
籔母さんの力作です~

 興奮がさめやらぬまま、お次はご馳走会です。
会場ホールの壁の上部、天井近くに、蔓や小枝や葉っぱでつくった飾り付けがあります。高川山の山道をイメージしたものです。
 山道をどんどん登っていくと、小鳥の巣があります。アレ? 昨日までは5個の卵だったのに、今日は5羽のヒナになっています。実は、卵からヒナに孵(かえ)った年長の5人の子どもたちを表して入るんです。よく見ると、5羽のヒナはみんな表情が違います。制作者のOB藪・母が、前の晩に一人ひとりの顔を思い浮かべながら、夜寝ずでつくりました。これからぐんぐん大きく強くなって、卒園式にはしっかり巣立って欲しい、という願いが込められています。
 山道の先には、ツリーハウスとターザンロープなどがある大好きな「冒険の森」になっています。

“テント”の中は ご馳走がイッパイ


~高川山のテントを模した仕掛け~

 会場の真ん中にテントを模した仕掛けがあります。(子どもたちが、冬のさなか、シイタケのホダ木を切ったあとで昼ご飯を食べたテントのつもり。藪が、似たような色の生地を買ってきて縫い上げたものです。)
 「中を覗いてごらん」という合図で、”テント”の裾をまくり上げた子どもたちは、またもや「ウワーッ!」と大歓声。大人だってビックリです。一年を通して楽しんだ「高川山」の思い出が、ご馳走で盛りつけされている!


~米ナスでつくった炭窯!すごい~

 中央にツリーハウスがあります。柱(土台)の樹はダイコンとセロリ、デッキの床は春巻き、柵とアプローチと吊り橋はゴボウの唐揚げ。遊具では、ターザンロープがゴボウの唐揚げ、トランポリンハンモックはレンコンの薄切り。一面に散らばっているドングリは、アーモンド。思い出深いイベントだった炭焼き体験も再現されています。炭焼き窯は米ナス、焼き上がった炭は練りゴマとひじきのハンバーグでできています。 ひときわ目を惹くのがデンと横たわった木の幹、その正体はロールケーキです。切り口の年輪、表皮の色と凹凸が本物そっくり。それにキノコのスープも美味しい。
 子どもたちは、「高川山の秋」をむしゃむしゃと食べていました。

 コサージを鮮やかにつくるプロのデザイナー、アマのドラマーと声楽家、腕利きの調理士・栄養士と、いろいろな分野のスペシャリストがいました。ガッチリ協力しあう親と保育士がいました。そんなみなさんが”子どもたちのために”という熱い思いを傾けて作り上げた、「かもめのクリスマス」。子どもたちは大喜びでした。

(記:高川)