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かもめニュース

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2002年度〜2006年度

2003年度 Vol35

たくましくなった しじみ組

思いがけない 自然との出会い


~ 広い静かな庭を我がものに~

 しじみ・あさり組が「間借り」した「小樽市第4除雪ステーション」は、玄関を一歩出れば交通量の多い道路に面していました。近所の方が、「ここは、若者がスピードを上げて通るから気をつけて!」と言いに来てくれるほどのところです。何事もなく終えられてホッとしているところですが、すごい緊張を強いられた保育でした。


~ヤマブドウを採ってもらう~

 その反面、すぐ近くにある薬科大学の薬草園で(部外者立ち入り禁止なんですけど)遊ばせてもらえるという、とてもうれしいことがありました。普段なら遠出など考えられないクラスですから、ホントに”ラッキー!”でした (^o^)
 小鳥がさえずる。車は来ないで狐が出てくる。ドングリを拾い、ヤマブドウを食べ、落ち葉で遊ぶ。毎日毎日、自然と無心に遊ぶ子どもたちをみていて、心が洗われるようでした。

トンネル”崩壊 !

 
 山を登っていくしじみ・あさり組、山を下ってくるかに・かめ・くじら組がバッタリ出会いました。お互いに声を掛け合い、走り寄って抱き合う。ドラマのワンシーンを見ているようでした。兄弟(姉弟)などは、とりわけ濃厚な抱擁シーンでしたよ。
 山を登りながら、高川が脚を広げて、「オーイ。トンネルだよ、くぐってごらん」と声をかけると興味深げに走り寄ってきて、次々にくぐり抜けます。そんなことを何回か繰り返しながら山を登っていくと、後の方で泣き声がします。鈴音がつくった”脚トンネル”を摩梨子がくぐり抜けようとしたとき、脚を突っ張る力が尽きた”鈴音トンネル”が崩れて、摩梨子にのしかかってしまったのです。

山中で ソーラン節の競演

 山道を歩いていた武琉、章人、鈴音が、道ばたの繁みにチョットした空間をみつけ、そこで「♪オトコドキョーはゴヒャク(五尺)のカラナ(からだ)~♪」とソーラン節を踊り出しました。


~ここがお気に入りのステージ~

地面が斜めになっているので、踊っているうちにズルズルと落ちてくるのですが、何度も登り返しては踊ります。摩梨子と詩穂も、道の反対側にあるコンクリート製の雨水ますのふたをステージに負けじとソーラン節を踊り出します。ソーラン節を踊るときの子どもの顔は、とても引き締まります。運動会のとき、一度見ただけなのに表情まで読みとっていたんですね。
 その後も、そこを通るたびに「しじみ語」まじりのソーラン節を楽しませてもらいました。
 しじみ組にとっては、坂道、山道は初体験。思いがけず子どもの力を見る機会を得て、これからの生活の仕方を考える上で、大いに参考になりました。

あさり組 もう、お兄さんお姉さんです

 ちょとの間、高川一人でしじみ組とあさり組を連れて歩いた場面があった。前後に注意しながら、”さぁ、出発”というとき、向陽と直輝がさっと寄ってきて、しじみの子どもたちと手をつないで歩き出した。「ありがとう! とてもたすかるよ。」と言っていると、円花も手を取ってくれた。
 いつもは、制止も聞かずに勝手に走り回って冷や冷やさせる子どもたちなのに、状況を的確に判断して大人を手助けしてくれる。”チャンと成長しているんだ”と思い、無性に可愛くなりました。

フォークすだれ!?


~ヤマブドウのおやつもしっかり食べて~

 しじみの子どもたちは、手で食べることが多いので、「フォークで食べようね」と声をかけるようにしています。
 ある日のこと、武琉が「オークで、オークで、ね!」と言いながら、キュウリ、キクラゲ、葛きりなどを一本ずつ手に取ってフォークの歯先に引っかけ、ぶら下げています。まるで、”フォークすだれ”です。周りは笑い転げ、本人は得意満面。

しじみ・あさりのドングリ拾い

 徳島県の小学校から高川おじさんのところに「北海道のドングリ送ってください」という依頼があったので、しじみ・あさり組に薬草公園で拾ってもらいました。
「あったよ」「あったよ」と、見つけるたびにうれしそうに袋に入れています。夢中になって拾った章人は「こんなにイッパイ拾ったよ」とはにかみながら袋を掲げて見せます。
 アラララ…摩梨子の袋はドングリじゃなく小石でイッパイ。真似っこ名人の摩梨子も今度は失敗

年長の紅葉狩り


~定山渓天狗岳~

 今が紅葉の見頃という10月5日、年長の子どもたちの紅葉狩りに道案内を頼まれて同行。たけだけしくそびえる定山渓天狗岳への登山道。赤と黄色と緑の、錦を織りなすような紅葉風景です。眼下には白井川の清流が白いしぶきを上げて流れています。
 道ばたのミズナラの根元に折り敷いている黄色い落ち葉の中に、茶色に光る大きなドングリ。「四国の友だちに送ってあげたい。みんなで拾ってー!」とお願いすると、袋がたちまちイッパイに。


~紅葉狩りの年長さん~

 感動屋のタカが「きれいなところへ連れてきてくれてありがとう。また、連れてきてね!」
 タカちゃんならずとも、見事な紅葉と大ぶりのドングリに感動した一日でした。
(高川 記)

徳島県・藤本勇二先生からの礼状

(前略)ドングリ届きました。このドングリで森の遊びができると思うとドキドキします。今年の理科の授業でタネの発芽をやっています。ミカンや鳩の餌、ドングリなど身の回りのタネをとにかく蒔いて発芽させています。タネの生命力に気づいてくれたらという思いです。
 4月からやってきた授業の最後は、ドングリを拾って蒔いて育てて森をつくろうと進めています。その場面に北海道のドングリを登場させようかなと思います。子どもたちが拾ってくれたということでひとしおです。(後略)