2011年度 vol41
しじみ組のふゆ
大きいクラスの子どもたちが、山小屋でのダイナミックな雪遊びに明け暮れていたころ、張碓園舎を広々と使っていた小さい子組。
「自分で自分で!」と「いやだいやだ!」と一筋縄ではいかないお年頃。なんといっても、外へ出る準備は大仕事です。
そもそもさむ~い外には出たくないし…というところからはじまると、準備をしているところにはなかなか寄ってこなかったりするのです。
半そで短パン姿から、長そで長ズボンになって、毛糸の靴下を衣装箱から出してきて、ネックウォーマーをして、帽子をかぶって、つなぎのジャンバーを着て…、それから毛糸の手袋にオーバーミトン。やっと終わると今度は長靴をはくのがこれまたたいへん。
あさり組はどんどん自分たちで準備をして外へ出ていきますが、しじみ組はまだまだ残っています。できるだけ準備の時間を短縮して外へ出られるように、_川や樋詰が交替で応援にやってきて手伝ってくれます。
頑張っている姿を見て、「すごいね!そんなこともできるようになったの!」
「あっ、今日はシャキシャキできるんだ、早いね!」と声をかけてくれ、気分を盛り上げてくれてようやく外へでられます。
それでも自分でやれることが増えてきたり、ソリ滑りや外での遊びの楽しさもわかってくると、少しずつ外へ出るまでの準備にかかる時間が短くなってきています(まだまだ時間がかかる子もいますが…)。
大ゾリを楽しんだり、つながり滑りを楽しんだり、大きな穴を掘ってジャンプしたり、寒さや突風にくじけそうになりながらも雪遊びをして過ごした冬でした。
部屋の中では…
~押入れジャンプ~
~ぶたになったり、熊になったり、おばけになったり~
(記 石田)
年長の冬の園外保育
冬になるとでかけているのは、ウトナイ湖。以前はここに国民宿舎(ユースホステル)があって、早朝や夕方に飛び立つ白鳥の姿を観察することができたのです。それはそれは凍りつくよな寒い建物でしたが、その姿を見たくて毎年そこに合宿をしていたのです。
ユースホステルが無くなってからは、苫小牧市内のホテルに泊まったりして、なんとか飛び立つ姿を見ようとしていました。
でも今年は鳥インフルエンザの問題や、餌付けされたことで白鳥や鴨などの渡り鳥が飛来しなくなってしまったことなどから、不法な餌を完全に撤去したため、ウトナイ湖まで行っても白鳥をみることすらできないのでは?との心配もありました。
それでもいろいろなところから情報を収集し、鳥獣センターの方にも確認したところ、なんとか見ることができそうだということで、1月最終日にウトナイ湖にでかけました。
いつもは公共の交通機関でしか移動しないのですが、今回はなんとジャンボタクシーでの移動となり、貸切の乗り物の中は歌ったり、しりとりゲームをしたり、みんなで元気いっぱい楽しみながらの旅となったのです。
ウトナイ湖「道の駅」に行ってみると「……」やっぱり白鳥どころか一羽の鳥もいません。
湖面にもすっかり氷が張っていて、鳥が羽を休める姿を見ることはできそうにありません。
樋詰が鳥獣センターの方と話しをしています。
みんなはその間に本物の白鳥には触れないので、ぬいぐるみの白鳥で体感中。
なんとか朗報をキャッチできました!さあ、ジャンボタクシーで移動するよ!
タクシーを降りて樋詰が交渉に行ったのは、なんだかちょっと高級なお食事処。
まさかここで食事を?いえいえ違います。
ここに白鳥がいるというのです。
さあみんないくよ!
お店の横を通って川をのぞいてみると…
いましたいました、こんなにたくさん!
このところウトナイ湖にも10羽前後しか見ることができなかったのに、なんと20羽以上もいるのです。美々川の河口にこんなに渡来していたとは…。
これぞまさしく白鳥です。しっかりと目に焼き付けて帰ろうね!
お店の敷地内に入れてもらっての見学だったのですが、いきなりアポなしの訪問なのに、とっても好意的に対応していただくことができました。昼食後にも「もう一度見たい!」という子どもたちの要望に応えて、再び訪問させていただきました。(今度感謝の意味も込めて、是非一度お食事に行きたいと思っていますが、誰か連れて行ってくれませんか!)
大空を優雅にとまではいきませんでしたが、ほんの少し移動するのに飛んでくれたので、白鳥が羽ばたく姿もみることができました。
あっちこっち行ったり来たりが自由自在な旅は、貸切の乗り物ならではということで、ジャンボタクシー大活躍のウトナイ湖行きでした。運転手さんもとっても感じのいいやさしいおじさんでした。
そして何よりもこんな移動ができるように行動費を出してくれた年長のお父さんお母さん、本当にありがとうございました。
帰ってきてから子どもたちの描いた白鳥は、大空をとんでいました。
(記:小島)