2017年度 Vol39
冬のしじみ組
幼児組3クラスが山小屋生活をしている間、あさり組・しじみ組・いくら組でホールを存分に使って生活していました。ロールマットに戸板をかけ斜面登りをしたり、雑巾がけやリズムをしたり、広いホールで毎日のびのび遊びました。
毎日斜面登りをしていると最初は戸板の淵や大人の手をつかんで登っていても、だんだんと何もつかまずに登れるようになったり、自分で雑巾で足の裏を濡らしてから登ったりと力と知恵がついた姿が見られました。百福は斜面を自分で登り、走って降りてきています。雑巾がけは遊びの中で楽しくできればいいなぁ~と思っていました。光影が雑巾がけに一番先に飛びつき、ホールの掃除が終わったら第二園舎や灯台の階段まで掃除していました。今では晴子がホールの端から真ん中まで一度も膝をつかないで進んでいます。ついこの間、心綸が膝をつかないで5歩進みました。
外では月齢の高いきんぎょグループ(晴子、千夏、詩乃、凛子、莉唯、百福、光影)、月齢の低いめだかグループ(心綸、結菜、彩葉、啓佳、咲希、花、陽希)に分かれて活動していました。
きんぎょグループはあさり組と一緒に園裏の斜面でソリ遊び。裏の斜面は前の道路と比べて斜面が急になっていて、滑ったはいいものの登って来られない…ということがしばらく続きました。でも毎日、登って滑って登って滑って…を繰り返していると登れるようになる子も増え足腰の力ってつくんだな~と実感しています。今では裏の斜面を走って登って来られるように!さらには友達を乗せてソリを引っ張ってみたり、立ち乗り(大人の肩につかまる)をしてみたり。遊ぶことでこんなに変化するのかととても驚いています。
めだかグループは園前の道路で大人と一緒に大ゾリに乗り遊んでいました。結菜はソリ遊びに夢中で、外に出る準備も自分でしています。その準備の早いこと!大人がソリを持っていると「乗る」。何度も何度も乗るので、坂を上ってくる足取りもしっかりしています。ある日、彩葉が「一人で乗る」と言い出しました。滑ってみるとデコボコの道でも上手くバランスをとっていて転びません。その姿に刺激され、その日結菜も一人でソリに乗りました。咲希と花は初めの頃一人でソリに乗ったり降りたり出来ませんでしたが、今は自分で乗り降り出来るようになりましたよ。大ゾリに乗っているだけだと思っていましたが、バランスを保つ力がつくんだなと思いました。毎日の遊びの中で体が作られ、たくましく育っていくんだと改めて感じました。
山小屋最終日にあさり組が山小屋へ行ったとき、凛子が「凛子も山行く」。「山小屋っていっぱい滑れていっぱい登れないと行けないんだって~」という会話をしました。遊び終わり、そろそろ保育園の中に入ろうとしたとき、「凛子いっぱい登ったから山行ける」。そんなに山小屋にいきたいのか~と嬉しくなりました。あさりさんになったら行けるかな?
ある日のホール①
偉奎が太鼓を披露しました。太鼓が始まると「ワー」「キャー」という歓声と、音に合わせて首を振り、手を叩き体全体で喜びを表現していました。本物に触れるってこんなにも子どもの目をキラキラさせるのかと感じました。偉奎の太鼓が終わると一斉に太鼓に近付き、今度は自分がやりたい!とバチの取り合いに。
懇談で<自分で>ということ、<ケンカが少ない>という子どもの現状を保護者と共有してから、こういったことが出始めてきました。子どもたちが話を聞いていたかのようですね。
ある日のホール②
ホールで毛布ゾリをするとき、あさり組が引っ張るので、しじみ組は乗る専門。でも毛布ゾリを出すと引っ張りたい姿が。あさり組が山小屋へ行ったとき、これはチャンス!と思い、毛布ゾリを出してみました。乗るだけでもバランスが取れて、ひっくり返ることがないなと思っていましたが、見てください、この引っ張る姿!!たくましいでしょう?しじみ組の友達を乗せて引っ張ったり、時には交代したり、いくら組を乗せて引っ張ったりと、友達とかかわる姿も多く見られるようになってきました。
ところが幼児組が帰ってきて全員でリズムをすると、なかなか自分からリズムに出られない子が多い…。小集団だと<自分で>が表現出来るようになってきましたが、大集団だとまだまだ難しいところもあるようです。
たくさんの人がいる「みんなで遊ぼう」。さあ、当日はどうなるかな?
(記:市村)
~細田偉奎から~
2月からかもめ保育園の職員になった細田偉奎(ほそだいっけい)です。
太鼓が趣味でかもめに来てからも獅子舞の太鼓を叩いたり、子どもたちに今までやった曲を聞いてもらい「いっけいもう1回」「いっけいすごい」と言われて嬉しかったです。太鼓といえば「いっけい」と言われるくらい、腕を磨きます。学生時代、一週間かもめで研究させてもらい、かもめの魅力に取りつかれていました。そのかもめで働くことが出来、光栄です。
学生時代、サッカーとよさこいもやっていました。その熱い思いを今度はかもめで子どもと遊ぶことで燃やしていきたいです。よろしくお願いします。
いくら組
かもめの冬と言えばソリ遊び。0歳児のいくら組もその仲間です。それでも、雪道を歩くのは初めて。慣れない長靴、滑ったりでこぼこな雪道、雪が降ったばかりの道は、それはもう悪戦苦闘。そんな時は、ソリやママさんダンプに子どもたちは乗り込み、大人が押したり引っ張ったりして遊びます。急にソリを動かすとコロンと後ろにひっくり返る子と、なんとか体勢を整えしっかり座っていられる子がいます。この違いは何かな、と考えると夏の約2ヶ月間、海かもめ生活で大鋸さんの作ったNEWスロープで遊んだか、そうでないか、かなと感じます。毎日、登ったり下ったり、旋回して遊ぶ中で体を支える力がついたのかなと。
そんな思いはこの前、他の保育園の年長が山小屋へ遊びに来た時にも感じました。約150メートルのロングコース。途中からスピードが上がり、でこぼこのコースに体を支えきれずだんだん上を見るような姿勢になり、仰向けになりソリがひっくり返ってしまいます。その横を3歳児のかに組が笑顔でスイスイとかわして滑っていきます。
楽しんで遊んでいるうちに、体を支えるという、人として生きるために重要な力が育つ、斜め姿勢の大切さを取り入れる、この保育の奥深さを感じたソリ遊びでした。
いくら組の冬の生活の様子です。毎日、リズムの模倣やおもちゃの取り合いをしています!
(記:樋詰)