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かもめニュース

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2017年度

2017年度 Vol42

(高川の保育日誌)

待ちに待った新園舎 完成!!
歓声をあげ、跳びまわる子どもたち


壁に本棚が並ぶ廊下を駆けて遊ぶ

40㎝の段差を飛び上がって隣の部屋へ

 子どもたちの新園舎への初登園は3月19日。ドアが開くや、口々に言葉にならない歓声を上げて、玄関に飛び込みます。興奮はいきなりマックスです。
 玄関の先は緩やかに下降する長さ20メートルを超える廊下です。何やら喚きながら一気に駆け抜けていきます。ところどころに設けられた階段も跳び下り、行き着いたのは広く広く、天井も高い大ホール。
 広々としたホール中を駆け回ると、次は、各クラスの部屋巡り。隣の部屋へは40センチメートルの段差を登り降りします。廊下の階段も各部屋間の段差も、自然地形(傾斜)そのままに園舎を建てたことから生じたものです。
 五つ連なる部屋を登り降りし、走り回る。それを繰り返していると、間もなく体が熱くなり、汗が噴き出してきます。ホール入り口の水飲み場に次々と押しかけ、喉を潤します。頭に水をかける子どももいたりして。
 水を飲み終わったら、すぐに部屋巡りの駆けっこに戻っていきます。部屋と部屋を仕切る段差を跳び箱に見立てて跳び越す子など、旧園舎では考えられなかった躍動的な動きが続きます。中には段差を飛び損なって鼻をぶつけた子もいましたが泣いてるどころではありません。

かに組(3歳児)の部屋で遊ぶ
年長児のリズム・時計(ホールで)

かに組(3歳児)の雑巾がけ

 0歳児はどうだろうと気になりましたが、自力でホールにやってきました。
 一番驚いたのは、午前中と午後、子どもたちの動きに変化が見られたことでした。右回りのスキップしかできなかった子が、午後には左回りにスキップしていた! 階段を後ろ向きに下りていた子が、次に見たときは前向きに下りていた!
 園舎のあちこちにある段差が子どもの発達にどんな影響を及ぼしていくのか楽しみです。

お礼 、そして、お礼
 素晴らしい園舎ができました。借間から始まったかもめの歩みを顧みると、夢のようです。これまで、かもめを支え見守っていただいた皆さまへの感謝の気持ちでいっぱいです。
引き続き、子ども一人一人を主人公とする保育を、親と職員、心を合わせて進めていこう…と、心を新たにしています。
ありがとうございました。そして、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
感嘆のつぶやき など(親とOB)
・リゾートホテルかと思うくらい素敵な保育園だよ(18日に引っ越し手伝いに来た親が自分のクラスに一斉送信したメール)
・ぬくもり感じて、いるだけでホッとする気分。癒されます。
・夢がぎっしりつまっていて、ワクワクする。子どもは幸せだよ。
・濡れたジャンパーが人目に触れず乾き、その水蒸気で湿度を保つなんて匠の技! すごい!!
・子どもが「帰りたくない!」って、床に突っ伏した。感触を確かめているようだった。住環境って、大切ですね。
・かもめが新築されたと聞いて、親子で訪れた。道中の話、「かもめらしくなくなる…」「灯台」が見えて、「あ、やっぱりかもめだ!」

 少し古い話になりますが、昨年9月、しじみ組の懇談会がありました。
懇談会後、亀井さんからとても示唆に富む感想が寄せられていました。親と子どもの関係で色々とご相談をお受けすることがありますが、そうした機会に、亀井さんの貴重な経験を念頭においてお話しすることもあります。
 ご本人のご了解をいただいて、以下に紹介いたします。

声のかけ方で 子どもが変わった!
自らの 心のありようも見直して(亀井凜子母・千尋)


鳥居昭美 著『子どもの絵をダメにしていませんか』(大月書店)

 夫が、凛子とお絵かきをするときに、イチゴとか車とか、凛子の似顔絵とか、飼っている犬とかの絵を描いていました。凛子も喜んでそれをせがむようになったのはいいのですが、凛子が絵をあまり描かなくなったことが気になっていました。それで、懇談のときに質問させてもらったのですが、お借りした本 (注)を読んで納得しました。

 子どもにとって絵を描くことは、自分を表現すること。その絵を教えることは、凛子の表現を型にはめることなのだと気づき、おそろしくなりました(ぶるぶる)。かもめの保育を知り、かもめに入って色々教えてもらえて本当によかったです。
 本を読んですぐ、かもめで斡旋しているザラ紙を購入し、凛子が自由に絵を描けるようにテーブルを常備。そうして、家での「お絵描き態勢」を保障しましたが、初めは「お母さん、イチゴ描いて」と……。でも、「凛子、描いてみて」と勧めると、ちょろちょろと描きました。
 「上手に描けたね〜」と声を掛け、凛子も得意顔でたくさん描いたのですが、声を掛けた自分の言葉をふり返って、びっくり。
 「上手に」だなんて、無意識のうちに評価をしていました。いけない、いけない!と思い直し、「一生懸命描いたね〜」とか「楽しく描いたね〜」とかって、声を掛けるように改めました。その後、どんなときにもこれは通ずるのだと、ことあるごとにこのメソッドを使い回しています。
 「凛子がー生懸命やっていると、お母さんは嬉しい」とか「凛子が楽しいと、お母さんも楽しいよ」と声を掛けることが増えると、凛子が変わりました。その変化が顕著だったのが、かもめに預けるときの朝の別れ際です。
 ある朝、「凛子がかもめで楽しく遊んでたら、お母さん嬉しいよ」と凛子に伝えました。このとき凛子は「うれしいのお?」と聞き返し、ちょっとぴっくりしたような、新たな発見をしたような表情をしていました。そしてこのあとすぐに、凛子が変わりました! 
朝のお別れのときに、自分から「バイバイ!」と手を振って気持ちを切り替えるようになったのです!!! びっくり!!!
 今まで、その日の朝に気持ちよくお別れできるよう、試行錯誤していたことが解決しました。朝のお別れのとき、わたしが寂しがっていたこと(いくら組に入園したての頃は確実にそうでした)を凛子はわかっていて、しじみ組になった今でも、私が朝のお別れで寂しがっていると思っていたのでしょう。それで、凛子が楽しければ私が嬉しいということを聞いて安心したのだと思います。バンザイ!
 この日を境に、ほぼ毎日の朝のお別れがあっさりです! 私も気持ちよく仕事にでかけられるようになりました〜! みなさん、ありがと〜〜〜!!!(笑)
 ちなみに、凛子の家でのお絵かきですが、本に書いてあることを実践してすぐ(本当にすぐ、その日のうちか、次の日)に、のびのび描くようになってきました。ただ、描くものが「こいのぼり」と「お母さん」ばかりなので、「こいのぼり」と「お母さん」を描いたときの私のリアクションがオーバーすぎたのだろうかと気になりますが(笑)。童謡のこいのぼりを歌いながら、くるくる回って踊っては、楽しそうに生き生きと描いています。
 今後も、褒めることは極力せず(評価につながるから)、凛子の行動に対して私の感想を伝えるようにしていこうと思います。結果ではなく、凛子の気持ちや行動を認め、受け止められるよう心にスペースを空けておく努力をしようと思います。
 この本を読んで、母としても教育者としても、子どもたちと接するときのヒントをもらいました。夫も、この本の内容を理解してくれました。
 これからも、かもめの保育や凛子から、たいせつな気づきを得ることを楽しみにしています。

追録


しじみ組(3歳児)の描画風景

 その後も毎朝、凛子は準備が素早く、ハイハイも「どんぐり」もパツと終わらせ、笑顔で「バイバイ!」と手を振り、すぐさま大好きな保育士のもとへ駆けていく日がほとんどです。あっさりしすぎていて、私の方が「ぎゅーしてよ!」とハグをせがむほど(笑)
 凛子にとって、かもめには大好きで信頼できる保育士や、仲良しの友達がいること、かもめの生活が楽しいものであること、それが親としてとても嬉しく、幸せなことと思います。ありがとうございます。

 そして、凛子のお絵かき。毎月100枚以上、かもめで描かせてもらっていると懇談で聞いたときはびっくりしました。そのお陰で、凛子の絵の発達を間近で見せてもらうことができています、ありがとうございます。丸の中に目が現れたときの感動、それからすぐに口や鼻が現れたときの感動、ちよっとずつ変化するごとに一々感動を覚えます! 担任が「お母さん、見ましたか?凛子の絵に目らしきものがついたんですよ!」と嬉しそうに報告をしてくれたことも、とても嬉しかったです。最近は、大きな丸の中に、小さな丸を描き「これは、凛子、生まれるとき」などと言うことが多々見られます。すごいなあと思います。まもなく凛子が描いた頭足人を見られるかな? ホールに飾ってある年長さん絵のような絵を凛子も描く日が来るのかな?と思うと、感慨深いです。