2019年度 Vol32
待ちに待った乱拍子
獅子舞が来た
「今日来る?」「いや、明日じゃない?」数日前からかめ組ではこんな会話が聞こえていました。そして…待ちに待った乱拍子が今日来る!!急いでホールへ行き、今か今かと待っていました。軽快な笛の音が聞こえ、乱拍子が見えた途端、最前列に座っていたはずのかめ組の子たちはササッと後ろの柱の影へ隠れ、一瞬で最後尾に。
「前で見ないの?」と声をかけても「いい!大丈夫だから!!」と雫。誰も戻ってこない中、雄貴は一番前で笛の音に合わせて「ソレッ!ソレッ!」とかけ声をかけていましたよ。迫力のある動き、獅子舞が口を閉じたときのパーンと響く音、動きだしたくなる音楽に、ちょっと怖いという表情の中でも、子どもたちの目は輝いていました。最後に一人ひとり頭を噛んでもらい、陽翔は「いっぱい噛んでもらった」と満足げな笑顔でした。
乱拍子のみなさんが帰った後も止まらずに踊る子どもたち。晃之介のひょっとこに、髙川のおかめ!?かめ乱拍子はタオルを被った獅子舞に、雫が作ったお神輿、笛吹き隊にうちわに、太鼓にはちまき!!「ワッショイ!ピッピッ!ソレソレ!!」やりたい!やりたい!の声が止まりませんでした。今までは、一歩引いて見ていることが多かった子どもたちだったので、今回の盛り上がって弾けている姿がとても嬉しく思いました。(来年も楽しみに待っています)
(志部谷 記)
子どもたちの変化!
森しずく…
今まで時間のかかっていた午後からの雑巾・ハイハイ・マットが、(おそらく、あわよくばやりたくないと思ってたかも!?)最近では一番に起きて、布団を片付けるのも一番、ホールを見ると、なんともう雑巾がけもハイハイもしている!それが毎日続いているのです。雑巾がけではしっかり手もパーに開いているし、膝をつかずに進んでいます。やらなきゃならないことを一番に始めている雫に、家では「佐野雫に負けたくないから」と言っていたそうです。お互いに刺激しあっているんだなぁ。
全部終わると早く終わっていたかめ組の友達を誘って、一緒にテーブルを運び、おやつの準備を始めています。おやつの後は外へ出る準備もパッと済ませて、もう外で遊んでいる!ソリに乗るのも早い。デッキの雪かきも「いいよ!しずくやるわ」と言ったり、園庭上の方に大きな山を作っているので「雪掘って、ソリに積んで山に持っていこう」と皆に声をかけたり、全然描かなかった絵もたくさん描くようになりました。遊んでいる顔もキラキラしています。家と保育園での生活を一致させたことがしずくの変化に繋がりました。「しずくにとって今これは必要なのか?」と、お父さんお母さんが家での生活を見直し、生活を丁寧にすることを心がけていると聞いています。<生活を丁寧にする>、よく聞く言葉ですが、しずくの変化を見てみんなで考えたい大切な事だと改めて感じています。
小椋壮真…
驚いたのは雑巾がけで膝を一度もつかずに進んでいたこと。今まではカエルのようにピョンピョンと跳ねながら進んでいたのに、いつの間に出来る様になったの!?初めて見た時はすごくビックリして、「すごいすごい」を連発してしまったほど!なかなか始まらなくて、「雑巾やった?」と聞くと「まだ…」と言って慌てて雑巾を取りに行くこともしばしばありますが…。毎日の積み重ねが体を作っていくのだと感じたことでした。
かめ組の目標は、雑巾がけで膝をつかずに往復できるようになること!!
(市村 記)
男なのか女なのか、解けない謎
かめ・かに組が合同で机を並べて食事をしていた。
以下、高川と子どもたちのやりとり。
かめ「高川って、男なの?」
高「どっちだと思う?」
かめ「男、男!」「男、男!!」
と、みんなが口を揃えて、自信ありげに声を張り上げる。どうしてか、昔から年に一度はこのことが話題になる。
百「女に決まってるしょ!」
かめ「え~! 女なの?」と、顔を揃えて覗き込む。
その数日後の給食時、また同じ話になる。どうしても高川=女に納得しかねるらしい。
高「髪の毛も男の人と違うし、化粧もしてるよ。男の人、化粧しないよね。」
百「黒いひげ、生えてないし」と女説を強調する。
高「ホレ、おっぱいもある」と、服の上から両手で胸を持ち上げ、何とか膨らんでるように見せかける。
百「服の上からじゃ分からない。おっぱい、見せてみな!」
高「ホレ!」と、胸元をチョッと開けるそぶりをすると、
百「服、脱いでみな! 脱いでみたら女か男か分かるから!!」と。
以前、「高川=男」説が堀内に飛び火して、その当時の年長が給食室に押しかけて堀内の胸に触って確かめたというエピソードがあるが、百福は未だかに組!
それぞれのやり方で「倒立」に挑む
マットをした後に、「倒立できる人いるかな?」と問いかけると、璃子と雫が挑戦を始めた。その姿を目ざとく見つけて走り寄ってきた雄貴、陽翔、悠志が熱っぽく挑み始めた…と見てる間に倒立を会得してしまった。その様子を食い入るように見つめる賀久、しずく、Aがいました。倒立を試みる様子もなく、‘どうしたんだろうな?’と不思議に思った。
その夜、賀久はソファを動かし、父、母、兄に「そこに坐っていて欲しい」と言ったという。何が始まるのか解らないまま坐ると、賀久がソファの背を相手に何度も何度も逆立ちを試みる。‘ア~、倒立の練習かぁ’、と納得がいったが、いつまでも付き合っていられず立とうとすると、「まだ、坐ってないとダメ!」と制して一心不乱に続けたのだと。
しずくも似たようなことをしたようだ。二人とも、次の日には倒立が出来るようになっていて驚かされた。前日は仲間の様子をジッと見続けていて、‘明日は、みんなと同じに出来るようになるんだ’と心に決めていたに違いない。
璃子は今では一回で高くケリ上がられるようになっているが、それでも時間があれば倒立を試み、毎日、新たな高みを目指している。
(髙川 記)