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かもめニュース

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2017年度〜2021年度

2019年度 Vol40

かもめの子どもたち 高く高く飛べよ!

卒園式を終えて

 新型コロナウィルスの影響で、規模・内容ともに極端に縮小せざるを得なかった卒園式でした。ただ、19日になって「緊急事態」が解除されたことにより、同居家族には参加していただくとともに、お母さんたちだけですが子どもとたちとの合唱で式を盛り上げてもらうことができました。初めに予想したより、かなり満足度アップ?で、無事終了することができたのではないかと思います。その陰には、どんな形であれ、かもめを巣立っていく子どもたちを心を込めて見送りたいという色々な方々の暖かい気持ちがありました。
 在園の皆さんが、くす玉一つ一つに込めてくれた卒園児へのプレゼント。
 1年生の親御さんが園舎入り口に仕掛けてくれた花の歓迎アーチ(卒園児一人一人の写真が掲げられています!)。
 2年生の有志が卒園児のみんなへ贈った花束。
 堀内ケーキ職人が腕を振るってくれた「旅立ちお祝いスイーツ」。
 極めつけは、園舎を埋め尽くした満開の桜、桜、桜、…、…。これは、鈴木さんの思い溢れるご厚意です。お陰さまで、かもめの子どもたちは卒園式史上(?)最も華やいで美しい巣から飛び立つことができました。
 そして、なんと言っても、卒園式を感動この上ないものにしてくれたのは、子どもたち自身の発案によるパフォーマンスです。生き生きと繰り広げられる子どもたちの歌と踊りに、その成長ぶりを改めて実感しこみ上げるものが。
当初、「そんな悲惨な卒園式で、子どもたちを旅立たせるなんて!」と、誰もが涙したのですが、終わってみれば、流したのは感動に溢れる涙でした。

(髙川 記)

見てもらえないのは仕方ない…でもやっぱり見て欲しかった

 今まで、経験した事のない事態が起こり、どう卒園式を迎えるか職員、親、そして子どもたちと共に考えていきました。いつもの卒園式が迎えられないと、何度も涙し、悔しい、悲しい思いを伝えてくるお母さん方、一方、子どもたちは「今年は特別、好きな事やろう」との投げかけに「やったー!」「何する、どうする」とあっという間に切り替え次に向かい、職員は、毎日ニュースとにらめっこコロナウイルスとは何なのか、どういう事が良くて、何が駄目なのか、周辺はどんな対応をしてるのか、市からの要望はどうかなど日々変わる状況に、どこまでできるかの判断が当日の朝まで続きました。
 色々やりたいくじら組、そこで第二部『祝卒園 ぼくとわたしの思い出』としてソーラン節、アイヌの踊り、もうや踊りをする事としました。ソーラン節は小さい頃からずっと見てきた運動会のオープニングでの踊り、1番、2番までは何度も踊ってきたものの、3番4番は、初めて覚えていきます。その、3番4番の難しい事。初日は、体が動かなかった子たちが、次の日には少し動き、また次の日には声が出て、そして当日には、腰の落とし方、テンポ、掛け声の大きさ、といつも以上の踊り(お父さんたちに教えるよりよっぽど…笑)と思える程でした。アイヌの踊りは、ちょうちん祭りで見たものを踊りました。こちらは、担任が教える事はできなかったものの、「こうしてたよ」「ここは、なんか違う」 そして、何よりも楽しんでいたのが、もうや踊り。自分たちで、お面を作ってきて被って、太鼓に合わせて踊る。太鼓も家から持ってきて、打ち手も自分たちで決めて行きました。お面は、今までガラクタ遊びをとにかくしてきた子が作り、それを見て、自分もと刺激を受け作ってくる子が一人二人と次々に増えていき、そしてクラス全体へと広がって行きました。
 そんな事がいままでの生活の中で、何度となく起こってきました。かに、かめ時代に流行った獅子舞遊びも、かもめ祭りで作ったお神輿、子ども祭りで作った天狗やひょっとこに、おかめのお面と様々な物を作って行きました。そして、プログラムまで自分たちで考え、話し合いを重ね創り上げて行きました。
 そんな子どもたちの、遊びに遊んできたもの、生活をしてきた事が、ギュッと詰まった特別な卒園式となりました。いろんな事を乗り越えて、縮小だけではなくできる事を親、職員、子どもたちと、とことん考えて作り上げてきた事もあり、今まででは、できない素敵な雰囲気に包まれた卒園式となりました。見てもらえないのは、仕方ない、でも、やっぱり、見て欲しかったなぁ。

(樋詰 記)

 
以下、多くのお父さん・お母さんから寄せられた声をご紹介します。
 

かもめ保育士のみなさまへ  河崎 愛紀恵

とうとう9年半に渡るかもめ生活が幕を閉じようとしています。
こんな一言ではとてもじゃないけど言い表せませんが・・・本当にありがとうございました。
なかなか理解できない私と泣きながら向き合ってくれた藤原。私はあの一件がなかったら、かもめに対して背を向けていたかもしれないし、本当の意味でかもめ保育園と信頼関係は築けなかったと思っています。優しさと厳しさをもって子どもだけでなく私たち親を育ててくださり、ありがとうございました。
 
いつも的確でユーモアにあふれ、こんなふうに年を重ねたいと思わせてくれる高川。どうして高川は子どもたちのことがなんでも分かってしまうんだろう。その千里眼のおかげではっと目を覚ましたり、気づかされたことが何度あったことか。高川と話していると時間がいくらあっても足りないんだよね。
知れば知るほど興味深く魅力的なのに、どうして結婚できないのか不思議な樋詰。なんとかハラスメントって言われそうですね。ごめんなさい。いろんなことをハッキリ伝えてくれるし、とてもとても頼りになる存在でした。
 
私をかもめに誘ってくれた鈴木。鈴木との出会いがなかったら私は今ここにいないんだよね~。不思議なご縁に感謝しています。晃之介の第二の母としてこれからもよろしくお願いします。
杏実の時に担任としてお世話になった谷。苦手だって言われたけど(しつこい。笑)私はいつしか谷が大好きになっていたよ。いつも元気に笑っていて周りを明るくしてくれるよね。担任だった時にもっとたくさんコミュニケーションとれば良かったなと思います。
 
幹事会では本当にお世話になった小島。小島に頼って支えられて、私にとっては大きすぎる役を務めることができたと思います。とても貴重な経験をさせてもらいました。
晃之介のことで気づいたことや出来事をよく教えてくれた石田。子どもたちはこうやってたくさんの人に見守られながら保育園生活を送ってるんだなって思えて嬉しかったです。
いつも元気であったかい、かーちゃんみたいな畑中。「最近畑中にひょっとこ見せてないわ」って言いながら出かけていく晃之介はとても楽しそうでした。ひょっとこを育ててくれたのはもしかして畑中?
 
第二園舎でいつもほんわかな空気を漂わせていた浅野。今では事務室でパソコンに向かっているけれど、にぎやかなかもめの中でそこだけ空気が違って事務室に浅野がいるとなんだか癒されたよ。
給食室から大きな声を響かせていたカリスマ料理人、堀内さん。いつも楽しいだけじゃない深いお話をありがとうございました。卒園祝いには何作ってもらおうかな~
管理栄養士として母としてOBとして頼もしい存在の遠藤さん。これからもかもめの給食をよろしくお願いします。
日本中の優秀な若い保育士を集めたんじゃないかって思うほど勉強熱心で頑張り屋なかもめの期待の星、合田、イッチー、湊、石川、あべちゃん。かもめで保育士をやっていくのは本当に大変だと思うけど、この保育を私の孫の代まで(もちろんそれ以降も)絶やさずにいてほしいので、みんなよろしくお願いしますね。
 
ここでは書ききれないけれど、その他にもかもめに関わってくれているたくさんの皆さん、ありがとうございました!!
 
きっとかもめに入っていなかったら、自分にとって都合のいいように子どもを育てていただろうな。子どもは親とは違う一人の意思のある人間だということに気づけず、自分の思い通りにしようとしていただろうな・・・と思います。考えてみれば恐ろしいことです。まだまだ未熟ではありますが、私はかもめで親にしてもらったと思っています。
卒園して、これからがむしろ本番。悩んだり迷ったりしたときに、変わらず受け止めてください。優しく厳しく指導してください。私にはそうして戻ってくる場所・相談できる場所があることがとても幸せです。
 
かもめに入ってよかったなと思うことは他にもたくさんありますが、何より、自分自身が変わることができたことができたことが一番大きいかなと思います。(何度も言っているのですが・・・)自分自身が変わったなと思うこと。
 
1つ目は「自分の意見がきちんと言えるようになったこと」
今まで、イヤだな~と思っても、我慢したりゆずったりしてきました。嫌われたくないとか争いたくないという気持ちからそうしてきたと思うのですが。自分の意見をきちんと伝えられる子どもになってほしいと願いながら、親自身はそれが苦手だったのです。今では厚かましく言い過ぎてしまうくらいです。ごめんなさい。
 
2つ目は「リーダーなどの役割ができるようになったこと」
これは子どものころからずっと、絶対にやりたくなくて逃げてきました。縁の下の力持ちならやるけど、リーダーだけはやりたくない。自分に自信がなかったのかな~。責任や重圧から逃げてもいたんでしょうね。そんな私が、クラスリーダー(あさり組の時)、まつり実行委員長や幹事会の会長をやったなんて本当に自分は頑張ったとほめてあげたい!人に頼ること、みんなに助けてもらえること、もっと周りを信じること、やればできるということ。とにかく学びは大きかったです。
 
3つ目は「いろんな人がいて、いろんな考えがあるということを学んだこと」
自分の常識は他人にとって同じように常識ではないということ。自分が正しいと思う傲慢さ。今まで自分がいかに狭い世界の中で生きていたのかを感じました。かもめの親も保育士もとても個性豊かですからね。
 
きっと私はなかなか理解できないから、神様は3人の子どもを授けてくれたんだろうな。おかげで10年もかけて学ぶことができました。ありがたいことです。
 
今度中学2年生になる壮一朗は、むしろ心配になるくらい少年のままです。本当に純真で、いまだにそり遊びが大好き。保育園児とも本気で勝負しています。ガラクタ遊びも晃之介と競ってやっている。晃之介の友だちが遊びに来ても、みんなが壮一朗と遊びたがって、晃之介が「オレと遊びに来たんじゃねーのか」と文句を言うくらい小さい子には人気あり。小さい子と一緒になって・・・というか、一番楽しんで遊んでいる姿を見ると、それも納得するのですが。寒さが苦手で外遊びが嫌いだった壮一朗は、自然の中で遊ぶ楽しさをかもめで教えてもらいました。きっとそりで遊んだり、木の実を採ったり自然の中で過ごすたびに、かもめのことを思い出しているんだろうな~と思います。
 
5年生になる杏実は、かもめ愛が深く、ご存じの通り夏休みの自由研究の題材にかもめを選び新聞を作りました。卒園式に出られないと聞いたときは泣いて、どうしてダメなのか聞きたいと言って直接藤原に電話したりしました。(最終的に出席できるとなった時も、一番喜んで号泣していました。)疑問を持ったり納得がいかなかったりしたとき、自分できちんと伝えたいと思い行動する力、我が子ながらとても感心しました。0歳からかもめで過ごしてそういう生活をしてきたからこそ、また保育士はきちんと話を聞いてくれる信頼できる相手だということが分かっていたからこそ行動できたんだと思います。こんな力をつけてもらったことは本当に感謝しています。
 
 そして晃之介。卒園式で見せてくれた、きりっとした表情とピンと伸びた背筋。年長卒園児らしい素晴らしい姿でした。
コマの技をする前に全員で10回連続回すことに挑戦していた時、二つのグループに分けていたのを「みんなで一緒にやりたい」と提案したと聞きました。自分が勝ちたいとか目立ちたいとか言っていた以前の晃之介ではなく「みんなで」「仲間と」一緒に乗り越えたいと思えるようになったんだな。クラスのみんなとそんな関係を築けたんだなとうれしかったです。クラスのリーダー的な存在でありながら、弱い部分もたくさんあったけど、最終的にとても立派に育ってくれたなと思います。(というか、かもめで育ててもらったなと思っています。)
 
今回の卒園式は、最後の最後までいろいろありましたね。
こんな状況だから仕方ないと頭ではわかるんだけど気持ちがついていかない。頭と体がばらばらというか、しばらくは自分でも表現できない状態でした。今まで、当たり前のように与えられた卒園式を迎え、みんなからお祝いしてもらうのが当然のように感じていましたが、それは本当にありがたいことなんだと今回気づきました。保育士の皆さんが、子どもたちや親がやりたいことを最大限にかなえてくれたこと、ギリギリまで私たちのわがままを聞いてくれたこと、心から感謝しています。
子どもたちは生き生きとしていました。特に第二部のソーラン節やアイヌの踊り、ひょっとこなどの芸(?)を見た時に、ここ何日も家で何やら作ったり仕込んだり練習したりしていた謎がとけ、大笑いと共に感動しました。みんなを引き連れて巡業に出かけようかな。
在園の皆さんからの心のこもったお花の飾りもうれしかったです。
そして、桜のトンネルをくぐって外に出た時のサプライズ。室内では歌えないからと外で歌い、送り出してくれた保育士たち。春の晴天の中に広がる歌声、忘れられない光景になると思います。
また、かけつけてくれたOBからの心のこもった手作りのお祝い。卒園式に出られなくて残念、でも何かしたかったというみんなの気持ちが本当にありがたくて感動しました。このつながりこそがかもめ保育園だなと思いました。
きっと私も子どもも忘れられない卒園式になると思います。
本当に本当に、ありがとうございました!!!!
そして、これからもよろしくお願いします。
 
 思いがたくさんありすぎてとっても長くなってしまいました。
もしもこれを卒園式の二次会で発表していたら、谷に何回「チン」ってならされたでしょう・・・

「かもめ、楽しい!みんな ともだちいるから」 北澤久実

最後の最後までかもめの魅力にみせられました。
コロナウイスという災害の中、卒園式で何をやりたいかを子どもたちに問いかけてくれたこと、うれしかったです。毎日のように何かしらを作って持っていく杏示でした。卒園式前日まで、できる限りのことを検討してくれました。そして出席できない在園の親御さん、2年先輩、1年先輩の親御さんからも気持ちを形にして届けてくれました。
 式では素敵な生歌にジャージと正装の舞(笑)、慣れないビデオまわしにさくらのスイーツなど…。
こんな状況での大人の姿勢を感じることができ感謝致します。
 これから、杏示に想像できないことがたくさんおこるでしょう。この卒園式で感じたことを大事に乗り越えていって欲しいと思いました。
 年長になりたての頃「かもめに行きたくない。」「絶対行かない!」と朝、駐車場の車から降りなかったことがありました。もうどうしたらいいか困ったことを思い出します。今は…、
杏示「かもめ楽しい」
母 「何が楽しいの?」
杏示「みんなともだちがいるから。」
杏示「お母さん、証書に何かいてあるか知ってる?」
母 「何だろう?」
杏示「かもめまでの地図が書いてあるんだよ。」
母 「もうすぐかもめ終わるね。」
杏示「大人になったらかもめに行くんだ。」
 
この先の未来にも杏示の中にはかもめがあります。
杏示の意欲の種をみつけ、引き出し、全開にしてもらえたこと杏示の根っことなっています。
本当に本当にありがとうございました。