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かもめニュース

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2017年度〜2021年度

2019年度 Vol39

コ マ

 クリスマスプレゼントでもらったコマ。当日には、半分、次の日にはほぼ全員が回りました。
その後、正月休みの間「ずっと、コマしてた」と指から血が出るほど回し続けた日向、とひよりがコマ大会の年長の部で優勝し、そんな、2人に勝ちたいと、挑んだり、勝ったり、負けたりしながら刺激し合っていました。2月13,14日にあった、風の子、菊水上町保育園による三園交流合宿でも行ったコマ大会。そこでも、見事かもめの栄祐が優勝と言った具合に、コマ生活を送っていました。そして、全員続けて10回まわったら技ができる、と全員で挑み始めました。


コマ回し「ちゃんとやろう」と声を掛け合

 それからが、長い長い道のり。なかなか全員でまわらない、途中で誰かいなくなる、違う遊びが始まりケンカが起こる、コマを回さなくなると、こんな日々が何日も続いていました。それでも2月29日、なんと7回、8回、9回目とはじめてそこまで回り子どもたちは大興奮。「あと一回だ!」と力も入り「いっせいのーで」と回すと、コロコロコロ…とひとつのコマが回らず。こうなるとまた、1回目からのやり直しになります。そして、今までの勢いはどこへやら。静かな空気と、諦めた様な空気が流れていきます。
 今年の卒園式はいつもとは違う式となります。在園の親も子も参加出来ず、OBや来賓も参加出来ません。式やリズムも短縮せざるを得ません。ただ、子どもたちが、「やりたい!」と言うものを出来る限りプログラムに入れようと、子どもたちとも話し合い決めていきました。その話し合いの中に、毎回出てくるのが、「コマの技やりたい」でした。
そのためには、全員で続けて10回まわす、が条件になります。何でそんな難しい条件を、と思うかもしれませんが、技をする、と言うのは、力強く回せないと行けません、普通に10回も回せなければ到底出来ない、卒園式という場で難しい事をする技術力、緊張を乗り越える力、などなど沢山の力が必要とされます。そんな、力がこの取り組みを行う中でついて行くと捉えています。
 まだまだ道のりは長く、なかなか回らないとクラスのリーダー的な子が、ションボリするとみんなもションボリ、回らなくてやる気が出なくダラダラ子をみんなで怒り、怒られた子は「もうやらない」となり、まるでクラス崩壊状態。その度に、何度も何度も子どもたちと話し合い「声を、かける時みんなで言わないで」、「回らなくても、パッと準備しよう」とルールを決めてきました。すると「やろう!」「みんな準備して!」という声が、一人二人と増えてきました。卒園式も迫る中、大人も「そろそろ10回まわせないと、こまをプログラムには入れなくなるかな」と、話が出始めてきました。


10回連続で回って喜びをバクハツさせる子どもたち

 さあ、時は迫ってきました、そんな3月11日の夕方、6回、7回と回るも失敗。いつもなら、ここから立て直せず、全く回らなくなってしまいますが、この日は違います。「しっかり、硬く(紐を)まくんだ」「話してる時間もったいない、やろう」とあっちから、こっちからと声が飛び交います。そして、9回目もまわり、大人もドキドキですが、回す子どもはもっとドキドキ「いっせーのーでー」といつもより大きな声が響き……「まわったー!!!」「やったー!」その時の、興奮たるやものすごくどの子も、跳ぶ、走る、叫ぶ、喜びを表現していました。
卒園式で子どもたちが歌う、『友だちはいいもんだ』の歌詞の中に、「みんなは一人のために、一人はみんなのために」とあります、一つの目標にみんなで挑み、そして乗り越える中、そんな力がついてきた子どもたちです。                                               

(樋詰 記)

くじら組レク雪中運動会

 2月23~24日年長組は親子で山小屋と張碓園舎を使ってレクをしました。


年長レクの雪合戦

レクで、どんなことをしたいかを子ども達と話し合うと「山小屋でソリ競争がいい」「雪合戦がしたい」「そりを作って、滑りたい」と次々に出てきました。どうやってするかは実際に山小屋のロングコースを使ってルールを決めていきました。「雪合戦は雪玉が当たったら氷鬼のようにかたまって仲間にタッチしてもらったらまた戦える」とルールを考え、当日は把握が難しいと言う理由で雪玉が当たったら外れるとしましたが、意見を積極的に出していました。
当日の子どものグループ分けも、自分達で決めていき「ムラクチーム」「ぞうチーム」「まほうチーム」「アイヌチーム」と名前まで決めていました。「お父さんお母さん達の分は大人がしておくね」と話すと「いや、それも自分達で決める」。この取り組みを自分達がすると言う意志が感じられました。当日参加できるお父さんお母さんのメンバーを伝え誰に入ってもらいたいのかをグループのみんなで話し合って決めていきました。樋詰も入ることを伝えると「樋詰に入ってもらいたい」と怜旺。アイヌチームがジャンケンに勝ち1番に樋詰を指名して仲間に入れていました。各チーム1番2番に選ぶ親は強そうな大人でした。次くらいから「杏示お母さんは強い?」「いやお母さんは…でもお父さんは強いよ」。友だちに親の強さを聞いたり「うちは強い」と親をアピールしたりして誰に自分のチームに入ってほしいのかを決めていきました。自分の親に自分のチームに入ってほしいのではなく、みんなに自分の親が強いと認められるのが嬉しいと言う様子で、親を友だちに勧めていました。この年齢になるとそんなことを考えながら決めるんだなと感心してしまいました。
 さて当日は横殴りのみぞれが降る猛吹雪の中での雪中運動会となりました。でも子どもも大人もこれから始まる雪中運動会を楽しみにしていたのであまり気にせずに進んで行きました。
1種目目はソリ競争。1チーム2人乗りのソリがロングコースに4台並んでスタートです。ソリで滑り降り、登りは猛ダッシュで坂をかけ上がり次の人にタッチします。ハードなコース設定に大人は息を切らして走っていました。レース後半になって負けが見え始めると、涙が溢れる子もいました。
泣いてばかりは、いられません。2種目目は山小屋前の広場に移動しての雪合戦。2チームで戦うトーナメント戦です。あらかじめ雪玉を作り置きしていて、だれを先に狙うか、円陣を組んで作戦会議です。トーナメント戦にしていましたが、「もっとやりたい!」と、声が次々に上がり急きょ総当たり戦となりました。こちらも、勝って大喜び、負ければ涙が流れていました。それほど、真剣な雪合戦となりました。


鯉の滝登り、このまま雪にダイブ‼

 最後の種目は、お楽しみの『鯉の滝のぼり』滝を登りきると雪の上にダイビング、とっても気持ちよさそうでした。
張碓園舎に移動してからのお楽しみは・コマ大会(コマ大会の優勝の賞状は栄祐の手作り)・お父さん手作りの昼食会(あっという間に売り切れになる、大盛況でした)・雪明り、雪の小道(雪明りは、各家庭で持ち寄りで工夫をこらし絵の具を混ぜたり、松ぼっくりを入れたり、糸で吊り下げたり、冷凍庫で凍らせたりしました)おでん夕食会・お泊り・ソリ作り・そして美味しいお汁粉を食べて解散となりました。


みんなでソリ作り

 盛り沢山の企画でとっても楽しい時間を過ごすことができました。お父さんお母さん企画・運営ありがとうございました。グループ分けから競技の決定・ソリ作りなど子どもたちのチームワークの良さは見事だっだと感心する2日間でした。

(鈴木 記)

自分の思いをハッキリ言える子に

 活発に遊ぶ年長を見ていて、頼もしくなったなぁと思う一方で、面と向かって何かを問いかけると反応が鈍いなど、気になるところがあった。何とか、自分の思いを表現できるようになって欲しい、併せて、本音を率直に言えるようにしてあげたいと思う。
 そんなことから、朝の掃除を全員が終わるまでの待ち時間や、本を読みまでの空き時間を利用して、「どんなことでもいい。みんなの前で話してみる」という機会を作ってみた。最初の日は2人だけだったが、日を重ねるごとに、7人、9人、11人と増えていった。それと同時に、自分の出番を待つ間も話したくてウズウズ…という状況も見られたことから、5~6人を順番待ちで待機させ、安心して準備させるようにもしてみた。
 
ここ数日、卒園式準備などのために話をさせる時間を取れないでいると、
「今日はどうして話ができないの?」
「いっぱい、話すこと考えてきたのに!」
と何人もの子に詰め寄られたりすることもあった。
 以下、子どもたちとのやりとり。
「そんなに、みんなの前で話したいの?」
「かもめでいちばん楽しいのは、みんなの前で話すことなんだよ」
「エ~!、知らなかった」
「だい、だい、だ~い好き!」
「でも、やっぱり合宿の方かな」
「そうだ、話すのは二番で、一番は絵をかくことかも」
 こんな話を、それまでは話すことを苦手にしていた子からも聞ける。自信を持つことで、子どもはこれほど変わるのか、と改めて思う。まだ、苦手意識がぬぐえない子もいるので、卒園式までにハードルを越えさせることを目標にしている。
以下、子どもたちが仲間を前に話したこと。(A、B、C…は、子どもの名前)


A ゆき灯りみんなでつくったよ。ぜんぶ灯りがつくと思ったけど、風が吹いて消えてしまい、なかなかつかない。風、吹かないでほしいなぁと思ったけど風やまない。なぎ(かに組)のゆき灯りはふたをしめてたから、消えないで きれいで うれしかった。


B レクの昼、おもち食べたんだよ、おしるこにして。よもぎもちが入っていて、前にかもめで食べた。よもぎもちよりおいしかった。豆もちは食べられなかった。あること知らなかったから。


C 雪合戦をしたCはまほう組、相手はムラク組、アイヌ組だ。強そうに見えた。アイヌ組とムラク組がやって、まほう組は最後ムラク組と戦った。頑張って勝った。案外意外と強くなくて安心した。「よっしゃ勝ったぜ」とみんなで喜んだ。


D 年長でつくったソリコース(の出発点の山)、もっと高く大きな山にした。高い山をつくるのにいっぱい雪を運んだから、つかれてしまった。つかれたけど、大きな山になって競争できるからよかった。


E (友達が話している途中に手を挙げて)高川、だいじょうぶ?高川、みんなが話すとき、いつもペンで書いてるのに、今日、なんも書いてないしょ。みんな、いつもより長く話してるのにおぼえられる?


*「大丈夫だよ!」とは言ったものの、Eが案じたとおり、全部は覚えられなかった。ゴメン。

話し合い風景

 前の発言者の話が面白くて、みんなの笑いがなかなか治まらない。自分が発言する番になのにタイミングをつかめないでいた子が「うるさい!」と大声で叫び、みんなを睨みつけ黙らせた。普段は温和しい子の、言うときは言うんだ! という強さに好感を覚えた。
 また、「本を読んでもらうの嫌い!」、「コマが嫌い」、「水彩はイヤ!」など、ハッキリと本音を聞かせてもらえるようになったのも嬉しい。
仲間との対話を大切にしながら、一方でそれぞれの主体性も培っていってもらいたいと思う。

(高川 記)