2020年度vol15
あさり組の海
色々なことに挑戦!
~泳げるよ!~
初日からワニ泳ぎをしていた夏帆、凪矢、仁心、颯大、美波、美絢。中でも夏帆が楽しそうで、ワニで泳いでは「キャーッ」と笑って友だちと顔を見合わせては笑っていました。「みてて!」と言って正面から倒れるように海へ入る子もいます。ばちゃーんとしぶきがあがって顔に水が掛かりますがへっちゃら!沢山ワニ泳ぎをしていくうちに進む距離も長くなって、あっちこっち自由に泳ぎ回ります。「ワニさんおいで~」と声をかけると、ぞろぞろとワニの行列がやってきます。「うが~!」と唸り声をあげているワニもいて、つかまると「あむあむ」と食べられてしまう事もありますよ。尻込みをしていた子も、友達が気持ちよさそうに泳ぐ姿をみて挑戦。できるようになると、とっても嬉しそうな笑顔でこっちまで嬉しくなります。滴は初日は海に近づけませんでした。でも、波打ち際を散歩したりする中でだんだんと慣れていき、自分で海に入ってこられるようになりました。
ビート版でも泳ぎます。初めは中腰の姿勢になって泳いでるつもり。(それでも「みて!」と自信満々な表情でしたが)ほんの数秒身体を浮かせられるようになって、だんだん身体が浮く時間が長くなってきました。大介も身体を浮かせるのが上手でビート版にお腹のあたりまで体を預けてぷか~とういたりしています。美波と美絢に「足バタバタしたら泳げるよ」と声をかけると、1mほどでしたが泳げました!そのあと何度も挑戦していましたよ。凪矢と颯大は頭まで海に潜れるようになりました。高い波が来ても平気で海の中に潜り、身体を数秒浮かせてみたり、足をばたつかせてみたりしています。ぷはっと立ち上がってはまた潜っています。
スタイロフォームのボードも人気です。彩翔や福二郎はよく押して走っています。海への行き帰りも小さなボードを大事そうに持っていたりします。海の中で押していると、足の力がつくだろうなーと感じます。七海がボードに乗って揺れていました。声をかけると滴と初乃がやってきて3人で細長いボードに上半身を乗せゆーらゆら。はしを大人が押さえていて、「こいで」と声をかけると足を動かします。滴が海水を手に取って両手で顔を洗いました。すると初乃も七海も真似して顔洗い。面白いね。
ビート板やスコップをしまっているコンテナをジャンプ台にして飛び込んだりもしています。普段はもう少し高いところからジャンプできますが、海になると話は違います。底の見えない海、ジャンプしたらたくさんしぶきもあがり、波もあります。それでも思い切って飛び込んだのは彩翔!続いて颯大もジャンプ!美波と初乃と凪矢もジャンプ!次の日には大介と夏帆も飛んでいましたよ。
~「投げて~!」~
颯大は海の中で自信満々です。「投げて」と言ってくるので大人がぴょーんと海の中へ投げ込んでも、顔をふきふき立ち上がり、また「投げて」それを見た他の子たちもやってきて投げ込まれました。凪矢や美波は平気です。美絢や仁心、彩翔も投げられたのですが、想像していたのと違ったのか、その後「投げる?」と聞いてもお断りされています。
あるとき颯大が栄木の膝からジャンプ。続いて美波もジャンプ!そばでボードに乗っていた七海が「やりたい」というので押さえてもらって膝からドボーン。海の中へもぐり、出てくると泣いて怒っていました。「やりたい」って言ったしょー。
子ガメの行列?
七海が浜にあがったので少し遠くにいた初乃や滴のところに行ってみようと声をかけると、四つ這いで移動開始。すると初乃も四つ這いで七海を目指してきました。「ハイシ、ハイシ…♪」とリズムの馬の歌を歌うと夏帆や大介、美絢…など周りの子も四つ這いを始めました。しじみさんもやってきてまるでどこからともなくわいてくる子ガメの行列のよう。鈴木が足のトンネルをつくると子ガメが汽車になってトンネルをくぐっていきます。凪矢もトンネルになるとそこを栄木が…!くぐったんですよ。海はもちろんですが、砂浜もとってもいい遊び場です。残りの海生活、いっぱい遊ぼうね。
けんか
あさり組は子ども同士のトラブルも増えています。物をとった、とられた、ちょっかいを出した、出された…そこでけんかになればいいのですが、ただ泣いて大人の顔を見たり、「ママ」と泣いたり、やられっぱなしの子もいます。もう少し力を出せるよう嫌なことは嫌と言い、困っていることも泣いて訴えるのではなく、言葉で言えるようがんばっています。幼児期に存分にケンカもし、友だちの痛みも実体験としてわかる子に成長してほしい、自分の不利益には黙ってない人になってほしいと願っています。
(石川、谷 記)
海生活になってから1か月半が過ぎました。張碓生活のときに「もう少しで海かもめだね~」と言うと「海行きたい」と声が上がっていました。学生の時に海も見学しましたが、小さい子はどんなふうに遊ぶんだろう…とその時は想像がつきませんでした。今では子どもたちと一緒に私もすごく楽しんでいます。
はじめの頃はワニ泳ぎや、子どもの膝あたりの深さの海でカエルやウサギなどのリズムをしていました。海にいる友だちの様子をうかがったり、少し波があると泣いたり大人の手をつかんで「怖い」と言っていましたが、今は海にゴムを張る前から(海の中を仕切って範囲を決めています)入りたくてうずうずし、大波が来て顔に波がかかっても自分で顔を拭いてへっちゃらな子もたくさんいます。
~えびたべたーい!~
えびの踊り食い、『食育日記』では見たけれど(見てない方いませんか?DVD貸し出しますよ)本当に採れるし、本当に採った瞬間に食べちゃうんだ…と大きい子を見て驚きました。海が初めての滴はエビを口の中に入れたとき、べっと出していました。私も初めて食べるとき勇気がいりましたが、食べてみるとおいしーい!小さい子の方では大人がえびを採ってあげていました。「えび食べたい!えび食べたい!」とタモを持っている大人に集まってきます。でもあさり組のえび採り名人がいるんですよ。昼寝のあと、すぐに水着に着替えて海へ行くのを張り切っている凪矢です。はじめはタモを海の中でゆらゆらさせていましたが、大人のまねをして地面にタモをつけて真剣な目でえび採りをしていました。「つれたー」と採ったえびは自分で食べたり、友だちにあげたりしていましたよ。凪矢が採れるなら自分も!と滴や仁心もタモを持ってきて海の中をすくっていますがなかなか採れません。えびは採れなくても小さな貝や昆布もうれしいようです。「見て見て!」と色々なものを見せ合いっこしています。
~いちにのさん~
彩翔がくるりんぱのときのように大人と手をつなぐと、大人の足をずんずん登ってきました「いちにのさん」で手を持ったままジャンプ!彩翔は「キャハハ」と大喜び。それを見ていた美波も「やりたい」と来ました。じゃっぽーんと海の中にジャンプして楽しそうです。すると美絢も初乃も友だちの楽しそうな様子をみて、自分もやりたいと集まってきました。
友達の存在は大きいと改めて思ったのと同時に、こんなダイナミックな遊びもできるんだという発見もありました。
海生活が終わってほしくないくらい栄木も海が大好きになりました。残り少ない海生活を遊びきりたいと思います。張碓の生活に戻った時には、子どもたちのどんな姿が見られるか楽しみです。
(栄木 記)