2009年度 vol2
ぞうきん縫いから始まるくじら組
「年長になったら何やりたい?」「コマ!」「縄跳び!」「マリ!」「ちょうちん!」
あこがれを持っていた年長。なったら何でもやれると次々に出てきます。
その中に入っていた「雑巾作りたい」の要求通り、さっそく始まりました。
「針を使う時約束が二つ」と高川の話が始まるとピタッと静かになり、真剣な表情になりました。好きな色の糸を選び、針に糸を通します。目と指先との合一、そして、足、腰がしっかりと安定することが必要です。
「あ!入った」とものの2~3分で入る子、1時間、2時間となかなか入らなくても、集中し続ける子。
「あー、できない、ひづめ~やって~」と大人に助けを求める子。
大人は「やれば出来るよ」「一人が出来たんだからみんな出来る!」と励まします。
針に糸が通った後は、糸の長さを決め、玉止めをして、やっと縫っていきます。もちろん全ての子どもがやります。
縫い始めても、かがり縫いになってしまったり、表はきれいでも裏がぐちゃぐちゃになったりと大変。そんな中、スイスイと縫うのは結晶。
結晶はおりがみ、ハサミ、あやとりと、あそびの名人。さらに「お母さんいつもやってるんだ」と日ごろから針を使う姿を見ていたんですね。
その姿を四個で見ていた芽生は、「わー結晶すごい、いいなぁ」と感心。
いつも元気に走り回ったり、お話しする響も、口にチャックがついたかと思う程、もくもくと作っています。
2日、3日かけて全員完成!どの子も自分で作ったんだと嬉しさが顔一杯にあふれてます。この表情を見た時「保育士でよかった」と実感します。
早く出来た事がえらいわけではなく、最後まであきらめないで挑むことが素晴らしい。やればできるという気持ちを口先だけではなく、確信し自分のものにしていってほしいと思います。
(風花)「さいごになったけど、がんばった。家でも作ってるんだ」と嬉しそうに話しくれました。
「ちがうちがう」
雑巾が完成したらマークを描きます。
(結晶)「そうべえ描く!」その言葉に大人も子どものも反応。
(高川)「べべん、べんべん~」とはじめると
(子どもたち)「ちがう」「ちがう」「そうじゃない」アクセントが違うとブーイング。正解はこう!とばかりにあっちこっちから
「べべん、べんべん~」とはじまりました。そんな中、顔を真っ赤に人一倍大きな声で、
(陽太)「こちらの松からあちらの酒ぐらの屋根まで~」といつの間にか陽太の独奏会。その言い回しはまるで本物のそうべえ(武藤父)のようでした。
子どもたちの正解は、”劇”のようです。
(記:樋詰)