2016年度 Vol30
もうすぐ運動会! 直前特集号!!(後編)
縄跳びたい!!
障害物の一つである大縄くぐり。苦戦していた子も何人かいるなかで、特にみのりは縄をくぐるまで時間がかかりました。最初は黙って見ていた子たちも「みのり早くして!」「みのり遅い!」と大ブーイング。
発奮したみのりは、大縄をやる人がいなくなっても一人残って「ご飯食べよ~よ」と言われるまでずっとやり続けました。砂浜でのでこぼこリレーに大縄くぐりを加えて遊んでいた時のことです。はじめは、なかなかタイミングがつかめませんでしたが、何度もやっていく内に、一回目で入れるように! 毎日意欲的に挑戦するみのりを見て、夢菜も「大縄やりたい!」とやる気を出してきました。そんな2人見てみんなも、取り組みはじめました。苦手なことに何度も挑戦する姿が仲間にもしっかりと受け止められたのでした。
(合田 記)
言い合いの中から
障害物競走の中の丸太渡り。二つ並べると「競争しよう」と誰からとなく声がかかり始まりました。途中で落ちる赤組の煌生と勝乃心。すると他の赤組のメンバーは黙っていません。「どうして落ちるの!」
「ちゃんとしないから負けるしょ」
勝乃心「あわてたら落ちちゃうしょ」
と返しますがなかなか負けた怒りが治まらず
「どうして~」
「だからあわてたら~」と繰り返しがつづきます。
そのとなりでは、白組が丸太を何度も行ってます。
それを見て瑞樹、晴樹「やったらいい!」
「わかった」と勝乃心が丸太渡りを始めました。
煌生は座り込み、耳を手でおさえてだんまり状態。
「ちゃんとやって!」「白組も勝乃心もやってるよ」など説得が続き、なんとか立たせようと持ち上げたりゆすったり。なかでも葉月はすごい迫力。仲間をなんとかしたいと言う強い想いがこちらにも伝わってきます。
途中で一葉が「おこって言うからじゃない」
「(ちょっと落ち着いて)ちゃんとやろ」
「今はおこってないよ」
こんなやり取りが15分以上続きました。
なんとか頑張って欲しいと言う仲間の想いに「・・・わかった、やる、だまっててごめん」と煌生。その後「煌生が13回もやれた」など、赤組から喜びの声が上がってきていました。仲間の出来た事が自分の喜びとなる、こんな姿に嬉しく思います。
障害物競争をホールで行っていて、戸板を越えるときに晴吾に銀士が抜かれました。そのまま赤組が負けました。終了後(あまり真剣に取り組んでいる様には見えなかった銀士に)怜真と晴樹が泣きながら、晴仁も真剣に「銀士が遅い」と訴えてきました。銀士は初め全く聞く耳を持たずにいたのですが、(仲間の訴えを受け入れたのか)「ちゃんとやる」と言って、その後はより真剣に取り組んでいるようでした。いつもはみんなに声をかけたり、教えたりしている銀士が、この日はみんなに引っ張られる立場に。
取組みの中で、こんな出来事が起こり、それを乗り越えていくことで集団としての深みが増していくんですね。
助け合って一歩成長!
かもめの赤白リレーは、かに、かめ、くじらで走ります。日に日に、熱さを増してくるくじらは、勝って喜び、負けて涙するという場面が見られます。一方かには、というと、走ってる? 歩いてる? といった感じ。
このかにの子たちをなんとかしようと奮起する白組。座り込む幸喜に陸、夢菜が「幸喜、さっき速かったもんね、また走るか」(イヤイヤと首を横にふる幸喜)「バトン持って走るか?」(バトンを叩く幸喜)「ほらバトン(バトンを振ってみせる)」するとバトンを握りしめ走り出しました。ここで、すかさず幸喜をはさむ2人。途中で転んだ幸喜を、起き上がるのを待ったり、褒めたりして走り込みをしていました。小さい子の力を引き出すために仲間が力を合わせチーム一丸となる!なんてすばらしいんだろう。運動会は子どもの発達にとってなくてはならない行 事だと今年もまた実感しました。
(樋詰 記)