2016年度 Vol8
髙川の保育日誌(5月16日)
日々の生長が楽しみ!
心綸(こいと・6か月)
大人があやすと笑顔で応え、ウゴウゴと声を発します。円心(わこ)が近寄って、ベロベロ、バーと舌を出したり、「こいと!」と呼びかけたりします。たまに反応がないときもありますが、そんなときも辛抱強くお姉さん役に徹しています。
抱っこすると、足を少しツンツンするようになり、固く握っていた手も開くようになりました。
百福(ももふく・7か月)
5月初めまでは離乳食を手で押し返してきましたが、今は音をたてて、ボロボロの繊維質になるまで咀嚼します。飲み込まないようにそれを取り上げると、顔を赤くして怒ります。
汁物は自分でカップを引き寄せ飲み干してしまい、まだ足りない、と泣き出します。
うつ伏せ遊ぶときも、両足親指はしっかり床や地面につけています。「おいで!」と手を伸べると、それに応えて手を差し出してくるようになりました。
親子で楽しく学んだ ワオーの森 森開き2016
5月7日は日ごろ子どもたちが親しみ遊んでいるワオーの森の「森開き」。間伐ボランティア札幌ウッディーズが主催した集いに多くのかもめの親子が集まり、春の一日を楽しみ、そして、学びました。
この日、年長はシイタケ駒菌をホダ木に打ち込みました。子どもたちは勝オジさんがチェーンソーで倒したミズナラの木の枝を払い、ロープを掛けて麓まで引っ張り下ろしたのですが、直径が15センチを超える太さの木まで銘々の手ノコで切ってホダ木を作ってありました。ホダ木に電動ドリルで穴を開けるのは保育士の仕事。その穴に、みんながトンカチでシイタケ菌を打ち込んでいきます。
その様子を見ていたの高原さん(沖縄太鼓の贈り主)が「いつもやってると見えて、トンカチさばきがお見事!」と感心します。初めて体験する仕事だと言うと、信じられないという面持ちをしました。
一本の丸太(ホダ木)に2~3人がチームで打ち込むのですが、一列を打ち終わると、手が空いて待っていた子がサッと丸太をひっくり返します。そのチームワークの見事さにも驚き、他のチームも同じ手際でやっているので、またまたビックリ。
「日ごろの活発な遊びが、ここまで子どもを伸ばすんだね」と高原さんの感心することしきりでした。
他にも、色々なつぶやきが聞こえてきました。
「かもめの子は野生児のようだと聞いていたけど想像以上。この子たちはスゴい!」
「こんな森で遊んでいるんだもの、鍛えられるはずだ。納得した」
「お父さんが森に興味を持ってくれたのが何よりうれしい」(かもめ母) などなど。
「森開き」について、多くの方々から感想が寄せられましたので紹介します。
歩幅の中の豊かな世界 大槻郁夫(くじら組:大槻恒太・父)
朝から横殴りの大雨。集合時間が近づくにつれ雨は弱まり、次第に雲が途切れて日が射すようになった。今日はワォーの森の森開き。
そしてボランティアによる自然観察会があるという。
十数年前からまさるさんと間伐ボランティアが少しずつ進めてきたワォーの森の整備が一段落したことを記念する、今日のセレモニーとのこと。今でこそきれいに整備された山だが、当初はとても人が気軽に踏み入れるような場所ではなかったらしい。
一つの山を保育園児のために切り開いて遊び場にする。とてもスケールの大きい話だ。
膨大な時間、膨大な労力、想像するだけで心が折れそうになる。まさるさんの子供たちへの想いの強さが月日を経て形になった大切な日。その想いに触れてサポートしている人々とともに、年長児の親としてその場に居合わせることができた。
式典の後に「北海道ボランティアレンジャー協議会」による自然観察会が開催された。
複数の少人数グループに分かれてワォーの森の植物や鳥についての解説をして頂いた。「この花はですね、、、」「このどんぐりは、、、」「この芽は大きくなると、、、」ボランティアの方の豊富な知識、トリビアのような面白小話にぐいぐい引き込まれる。あまりに面白くて下山後その場で販売していた自然観察ハンドブックを購入した。
普段全く山登りをしない自分にとってはまさに未知の世界だった。というよりも、知ろうとしていなかった。山を歩く自分のその一歩の歩幅の中にこんなにもたくさん花が咲いていて、こんなにもたくさん草が生えているなんて気にもとめていなかった。自分の目線の高さに見えるものしか見えていなかった。
子供たちのその小さな歩幅の中にもたくさん植物が生えていて、たくさんの生き物がいる。子供たちは時折立ち止まり、しゃがみ、その草花に興味をもつ。もしかすると大人よりもずっと視野が広いのかもしれない。
「お父さん、これなんていうの?」「んー、ちょっとわからないなぁ。今度まさるさんに会ったら聞いてみようか」。今まではこんなやり取りだった。立ち止まることもしゃがむこともせずに。
これからは「どれどれ、んー、これはね、、、」と子供と一緒にしゃがみこんで、歩幅の中の世界にも一緒に目を向けたいと思う。
世界が広がったよう 星野智彦
東京出身で、小さい頃から自然に縁遠い場所で育ち、山などに関心を持って登るようになったのもここ2、3年という私には、 植物や野鳥の名前なんて、ほとんどわかりません。だから普段保育士として子どもと散歩するときに「これなんだろうね」 「あれなに!?」と子どもと一緒に素で驚けるという利点はあるのかもしれませんが、今回自然観察会に参加させていただけたことで、 先述のような無知の強みももちろんあるけれど、知識を得ることで、さらに出来ることの幅が広がるのだなということを 再認識させられました。
例えば、同じ歩くのでも自分が歩けば素通りしてしまうような小さな花を、緑一面の中からガイドさんはさっと見つけ出して教えてくれる。それを追って自分でも発見できると、なんだか世界が広がったようで、少し嬉しくなる。もちろん「美しいものを見つけられた!」という感動もある。森に響く鳥の鳴き声で「きっとこういう鳥がいる」と教えてくれるガイドさん。そのとき実際にその鳥を見つけることは出来なかったけれど、それを探すために耳を澄ませたり、目を凝らしたりするのは、とてもワクワクした時間でした。
知識を得ることで、そういう感動を一緒にいる人に共有できる。感動出来れば、自分もその人も、また一歩自然のことが好きになる。それに、いくら勉強したところで、自然の豊かさに比べれば、ほんの一握りに過ぎなくて、結局「これなんだろうね」って連発することになりそうですし(笑)
ここまでつらつらと書き連ねましたが、つまるところとっても楽しかったです。クルマバソウをちぎったときの匂い、子どもたちと一緒に嗅ぎたいなと思いました。ありがとうございました。
かもめ父の職人技に感心 中里朋子(かに組:中里幸喜・母)
ものすごい強風雨の中の森開きになるのか?との心配も、ワオーの森に行くとすっかり晴れて、清々しい天気に。 これには、天の神様をも味方に付いている運の持ち主がいる(勝さん!?)と密かに思いながら参加させてもらいました。
ワオーの森の案内板の除幕では、園児が長縄をみんなで引っ張って幕を下ろし素敵なお披露目となりなした。 今までは、なんとなく上に登っていけば頂上に着くという感じでしたが、案内板を見ると一目瞭然!! 2ルートに分かれていて、 途中の不思議な建物は何か? ビューポイントまでも印されているのには驚きました。その他、森の「住人たち」と 題した生き物や野花などの紹介の看板もあり、少しだけでも知って山に入れれば、また違った楽しみ方もできる! (子供に教えてあげる事もできるかも!?)と思いました。
そして、その看板をデザインしたのが宮田父!看板取り付け板を作ったのが浅野父! 「ワオーの森」の看板を彫ったのが町田理事長!と聞き、かもめ父の職人技に改めて感心しました。
園児達が元気いっぱい「ワオーの森のうた」を歌い終った後は、樹名板の取り付けへ。今まで木の名前を付けられていただけでもすごいなあと思っていたのに、新しい樹名板は、名前はもちろん写真付き、しかもミニアドバイスまで付いていて、あまりの進化にこれまた驚きました。
この後、私は小学生チームに入って自然観察へ出発しました。今まで気にもかけていなかった木に実(じつ)は小さい花が咲いていたり、ヒトリシズカという可愛らしい草花は、実はオジサマ達に人気がある!?とかないとか…。
そんな話も交えながらの楽しいミニ知識を色々教えてもらいました。すぐ役立つところでは、ウルシの葉はどれか? トリカブト(毒)とニリンソウ(食用)の見分け方など、すごくためにもなりました。
なんといっても一番驚いたことは、小学5年の遠藤悠が「これ知ってる?」と聞かれたことをポンポン答えていくことでした。「なぜ○○だと思う?」との問いにも、すぐ「子孫を残すため」と答えた時には拍手ものでしたよ! 同学年の中道千聖も、わからない事があればすぐ質問したり、さすがかもめっ子とすごく嬉しかったです。そういった小学生の姿を見ることも出来て、大満喫させてもらった森開きでした。
森を歩く楽しさ再発見 小島佳子
7日(土)ワオーの森の森開きに参加しました。今までワオーの森の整備をしてくださった間伐ボランティアの皆さんと一緒に、新しくできた案内板の除幕式に参加させてもらい、かもめ保育園の年長と「ワオーの森のうた」をうたってきました。
セレモニーで、山主である勝さんから「ワオーの森のできるまで」という歴史が語られ、これだけでもなかなかすばらしいものだったのですが、今回一番感動したのは、自然観察員の方たちの案内で森のなかを散策できたことです。
「私の名前は、熊野と申します。森の熊さんもようやく冬眠から目を覚ましたところで、 まだ寝ぼけていてうまく頭が回転してないかもしれませんが、私も熊さんと同じ状態です。…もうすぐ春眠にはいります。」 なんて自己紹介からみんなの気持ちをしっかりと掴んでしまいました。「私は鳥にはあまり詳しくありません。専門は植物のほうです。」 と言ってさっそく森に咲いている花や木のことを教えてくれました。
普段から花や木を観察することも大事にしながら、子どもたちと先を急いで登ってしまわないようにと心がけていますが、 私が覚えていること(花の名前も覚えてはすぐド忘れします)はほんのわずかなことです。だから今たくさん咲いている 「シラネアオイ」も「ああこれこれ!」って感じでみていると、「実はみなさんが花弁だと思って見ている紫のところはガクなんです」 とか、桜の花びらが落ちていると、パッと手にとって、「桜の花弁と梅の花弁の違い、わかる人いるかな? 先端の丸みと尖っている部分です」小学生が落ちていたドングリを見つけると、「木から落ちたドングリは、 冬の間どうなっていると思う? どこから根を出すかわかる?」知らないから知りたくなることばかり。いろんな会話から、 森を歩くことがこんなに楽しいだなんて…、再発見でした。
そしてもうひとつ感動したことがあります。
「植物は冬の間に準備をしているのは?」「芽を出し、花を咲かせて……(略)…秋を迎えて、また冬を迎えます。新しい実をつけたるために、虫に運ばせたり、風を利用したり、いろいろな方法で広げていきます。」そんな説明の合間に、「子孫繁栄のため」(遠藤悠)「大正解!」(観察員)などというやりとりがありました。観察員の方を感動させるほど、質問されたことにずっと応えていたのは悠でした。
「この子は保育園の卒園生なの?」かもめの卒園児は、こんなところでも驚かせてくれたのです。
「明日は山菜パーティーなんです」というと、「それならこの山で食べられるのはなにか教えてあげようかな」と新しい野草を紹介してくれ、なんだかとっても森と親しくなれた一日になりました。ワオーの森は楽しいな♪ 思わず唄ってしまうくらい清々しい気持ちで森の散策を終えました。
なんとか予定をあけて参加したお母さんたちも「おもしろかった」「知らなかったよね」「来てよかった」と言っていました。 こんなに楽しいことを皆さんに紹介するのが本当に遅すぎたなあ(私も知らなかった)と反省しています。
参加できなかった皆さん、秋の山での発見もあると思うので、勝さんにお願いして、是非観察員の方をよんでもらいましょう! 素敵な機会を用意してくれたウッディーズの皆さん、高川勝さんと紀九子さんに感謝!!!
葉っぱをちぎって食べた! 中里幸来(かもめ卒園児:3年生)
どんぐりからねが出て土の上に立っていたのがかわいかった。
トリカブトとニリンソウの葉っぱがにていてびっくりした。
カエデの木の葉っぱに小さい花のたばがぶら下がっていて、その小さい花のたばの色が色々あっておもしろかった。 幸来が見た色は、黄色と赤。葉っぱをそのままちぎって食べたけどふつうに食べれてびっくりした。
知らない草がたくさん! 遠藤悠(かもめ卒園児:5年生)
先日はワオーの森でお世話になりました。家にある植物図かんで知っているものもありましたが、ほとんど知らない草がたくさんありました。聞いたり見たりしたことをすぐ調べたくなるせいかくなので、あのあと家に帰ってすぐ植物図かんで調べました。でも、やっぱり実さいに見たり聞いたりする方がずっとおもしろいです。まさるさんが教えてくれたイタヤカエデの木のことも役に立ちました。
またかもめ祭りで出店します。ぜひ、買いに来てください。オマケでおし花のしおり付きです。
* 児玉父、大槻母の感想は次号に載せます。
ありがとうございました。 髙川勝
お集まりいただいた方々の笑顔、笑顔…。そして、子どもたちの常に変わらぬ生き生きとした表情と振る舞い。 皆さんにこんなにもワオーの森に親しんでいただけるのか…と嬉しくなりました。改めて、気持ちの良い森にするために 気を取り直して向き合わなければ…と思いを固めています。そして、森にいること、森に働きかけること、ご一緒にいかがですか! とお誘いしたい思いです。とても楽しいものですよ、と。
最も印象的だったのは、皆さんが自然観察に深い感銘を受けられたことです。「是非、またやってください!」 という強い要望を多くの方々から受けました。その要望をボラレンにお伝えしたところ、要旨、次のようなご返事がありました。
先日のワォーの森観察会は参加者と共に楽しく森を歩けました。
観察会のご希望ですが、今年度についてはスケジュールが詰まっていて、複数回の対応は難しい状況にあるため、 10月上旬ごろの秋の観察会(土または日)をご提案いたします。ボラレン有志の対応となります。 ボラレンとしても活動の場が広がりそうな予感を覚え、是非とも実現したいと思います。
ということで、秋の観察会を企画しますので、ご意見をお寄せください <(_ _)>
ご存じですか、シウリザクラ?
ワオーの森に、間もなく珍しい花が咲きます。シウリザクラ- サクラでありながら、一風も「二風」も変わった花を咲かせます。是非、ご覧になってください。