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かもめニュース

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2017年度〜2021年度

2019年度 Vol43

~卒園式を終えてNo.2~ 写真提供:工藤 了

心奈 母

 今回卒園式が縮小されるということになり、初めは受け止めることが出来ず、涙が止まらない日々でした。しかし最後まであきらめずに世界で1つだけの式にしよう!!と取り組んでくださった高川、樋詰、鈴木をはじめ保育士の方々、OBの方々、在園の保護者の方々皆様にとても感謝いたします。当日、子どもたちの生き生きとした姿を見てとても感動しました。今までにない卒園式、本当に世界で一つだけの卒園式になりました!!本当にありがとうございました!


黒髪の舞

 ついに、心奈がかもめを旅立つ日が来ました。長いようであっという間の4年半でした。色んなことがありすぎて、忘れられない経験、思い出が親子共々たくさんたくさんできたと思います。入園してまもなく髙川、藤原、小島に呼び出され旧園舎の2階で「心奈のことちゃんと見てる!?」の一言から始まり、永遠と説教…!?いや、お話をしていただき、目が開かなくなるまで涙したことは忘れもしません笑笑 この2人には何度も私を助けていただき、時には厳しいお言葉や指摘をいただいたり、優しく包んでくれ、このお2人がいなかったら今の私はなかったと思います。ここまで本気に子どものために親に真剣にぶつかってきてくださる保育士はどこにもいません!!本当に本当にありがとうございます。そして、樋詰、鈴木いつも本気でぶつかってきてくれ時には泣かされ「もうイヤだ…」と思うこともありましたが、いつも優しくサポートしてもらい、励ましてくれて、つい頼ってしまう存在でした。この素敵な2人が担任で本当に良かったです。ありがとうございました。
 そして周りのお母さん、お父さんたちが私を成長させてくれました。このクラスのお母さん、お父さんたちに出会えてなければ私たち親子の成長は違うものになっていたと思います。心奈がのびのびとリズムをして、自分の言いたいことをしっかりといえるようになれたのも、私も見守りながら指摘し、支えてくれたからです。ひとり親で“お父さんがいない”というコンプレックスを取り除き、ひとり親ということでマイナスに考えてしまっていた数々をプラスに変えてくれました。心奈を自分の子どものように一緒になって育ててくださり本当にありがとうございます。感謝してます。これからもよろしくお願いします。本当にかもめでよかった、幸せだと思いました。

天野 父

 遂に我が家にも、かもめ保育園の卒園証書が飾られる日がやってきた。ここには、「ねをはやせ みきをふとらせ かもめのこ」と書いてある。樹木に例え、子供の成長を願うこの言葉に、最近までしっくりきていなかった。成長に大切なのは、葉を茂らせ枝を伸ばし、たくさん光合成をしてエネルギーを作ることだと考えていたからである。より多くの光を浴びるために伸ばす枝を、大地に根を張り幹を太らせ支える。だから、枝を伸ばし葉を茂らせることに着目した方が良いのではないかと。
日向にとっての「光」は、かもめ保育園そのものであったと思う。
 保育理念、保育士、保育環境、行事、年長の課題、在園児、卒園児、保護者。そして、かもめ保育園の考えに共感して過ごした日々の生活。色々な光を浴び、日向なりに葉を茂らせ、卒園後の人生を歩む基礎エネルギーをつくることができたのではないかと、卒園式の時の表情を見て感じた。
皆様、ありがとうございました。
 今なら納得できる。懇談等でも親に考えさせ核心を中々つかないのに、「葉が大切、光を受けて光合成」なんて、掲げる必要はないなと。これからも考え、試行錯誤しながら、親子で成長していきたいと思う。

天野 母

 不安でいっぱいだった入園当初、迎えに行くと、周りのお母さんがたから「朝泣いているみたいだけど平気で遊んでるよ。」「すぐ泣き止んでるよ」「笑ってたよ」名前もわからないうちから色々言葉をかけられて、すごく安心したのを覚えています。日向の様子を迎えに行くと話してくれた保育士たち、普段見られない夕方の姿を逐一話してくれたお母さんがた、かもめ保育園みんなで育ててくれたなと思っています。
 かもめ保育園では保育士や周りの保護者の方々から本当にいろんなことを教わり、気づかされました。中でも一番大切だと思ったのは、「子供の目線で考える。環境を整える」ことでした。子どもにとっての良い環境とは何か、子供にとって必要かどうか、子供がつまづいている時何が邪魔しているのか、何が足りないか。日向が伸び悩んでいる、行き詰まると保育士やお母さん、お父さん方々に相談→考え→実行の繰り返し。相談する環境があるのは本当にありがたかったです。


コマの技 大ゴマスコップのせ

 日向の変化ですが、静かで穏やか、思ったことがなかなか口に出せない子でしたが、かめの夏前頃に、「最近からだが軽いんだわー、走るのが楽しい」といつでもどこでも走り回るようになってからだいぶ変わり始めました。笑顔が多く出てきて声がでてくる。かめ海かもめの終わり頃、御輿を作って行くと言い始め巨大御輿を作りました。
いつも自信のない日向でしたが、隠せないほど大きな御輿を持って行ったため、友達の前に見せることができました。友達には感心され、認められ、自信がついたんでしょう。今まで作ったものは持っていっても勇気がなくてそのまま持って帰っていた日向がそれからいろんなものを作っては持って行けるようになりました。自信をつける、自分を見せられるようになる って素敵なことです。友達との関わりで成長できたんだなあと思います。
それでも大きな声でみんなの前では自分のことが話せないのが続いていましたが、卒園式前々日に「明日みんなに話すことあるから話す」と決心を見せ、次の日(卒園式前日)自ら自分のことを話すことができました。話ができるようになれたのは周囲が少しづつ出てきた自信を摘み取る事なく尊重してくれ、話そうと言う環境を作ってくれたので話すことができたんだと思います。 
 卒園式の自分のやりたいことができると決まってから、色々なものを作っては持って行く、そのため家でやらなきゃいけないことはパパッと終わらせる という(普段は結構ダラダラしている)生活にも変化がありました。責任感や頼もしさが感じられ、成長を感じられました。
年長みんながそんな気持ちだったのでしょう。卒園式当日はみんな自信に溢れのびのびと駆け回る姿が見られ、本当に感動しました。大変な状況の中、子供の意見を通してくださり、また親のわがままをたくさん聞いてくださり、かもめ保育園には本当に感謝でいっぱいです。
 藤原園長、高川さん、担任の樋詰、鈴木、またいつも見てくれていた保育士や職員のみなさん、いつも暖かく見てくれていた、かもめ保育園保護者の皆様方々、ありがとうございました。

島貫 父

 成竜の父です。たまたま人から聞いた「夏は毎日海」「冬は毎日雪山」そして「素晴らしい食」あの平たんでないところで過ごして、それだけでもバランス体幹がよくなるよね~と、当時知人のスポーツトレーナーがよく言ってたのを思い出し。4年前にかもめに見学にきました。その時に子供たちの好奇心旺盛なエネルギーを感じ、生き生きとしていた目を見たあの光景を今でも覚えています。成竜はあさり組の運動会の日が入園日でした。何もわからず親子で参加しました。当時の運動会で子供たちみんなのたくましさ、身体の動きに驚かされ成竜もきっとこのように育つのだなとワクワクし年長になるのを楽しみに過ごしました。


竹踊り

 かに組になり子供が成長していくなかで親にも壁がいくつか出てきます。最初は夫婦間でもそこまで話すこともなく「きっと大丈夫だよ、そのうち成長するよ」といった感じで日々の意識もなく過ぎ去る毎日でしたが、次第に子育てに悩みや不満やいろいろな事を感じるようになりました。懇談を積み重ねていく中で夫婦間でも話をするようになりました。子供はほっといても育つから~と耳にしたことを皆さんもあると思います。これは全くのウソでした。育つことは間違いないのですがそれは我々親がどのように育ってきたのか、どのように育ちをしてきたのかで大きく左右するなと思いました。生活習慣 会話の質 思想 そして子供への接し方…
保育士に子供の家での出来事など聞いてみますが何も答えはなく・・・なぜだ?と私たちは考えだします。そんな中やがて子供の成長に変化がみられるときがきますがその時には何が起きたのかは
わかりません、時間とともに力がついたのかなと思うようになっていくのですが・・・ 
 かめ組の時にレク 懇談 で次第に周りの親に聞いてみたりするようになり、私たちのクラスには卒園を経験し子育てを長くしてきた親も多かったので、自分たちの事を話すようになっていたりして相談して、親とのかかわりが増えてきました。気がついたら自分達がかもめでの生活を楽しみたい、楽しめるようになっていました、懇談では子供のことで真面目な雑談があり、いつしか子供ともっと向き合おう。子供同士の関わりをかもめが休みの日でももっと増やそうと思いました。そうなると当然親と親のかかわりがいかに必要か大切かを感じるようになりました。この時くらいから成竜も次第に集団の中での自分の存在をだしはじめたのかな~と
 保育士にも成竜が変ったと聞き私自身も園での成竜の声の大きさや走り回る姿におとなしかった成竜が今までにあまり見られなかったので微笑ましく思っていました。
年長になった春、後1年「少しでも多く1つでも成竜に成長できるきっかけがあるといいね」と夫婦で声を掛け合っていました。親たちはみんなそれぞれに同じように「思い」を感じる春であったのではないかな?と今思います。そんな思いからかもめの行事では親たちが本気で取り組み 懇談では本音をだし レクでは本当に楽しめる時間を感じました。仲間という集団の中で年長という幼少期で培われる心の成長を感じると同時に私たちの親としての在り方を見直したり夫婦で話をしながらいつしか自ら考えるようになりました。
 「学び」とは教えられることではなく、自ら考えだす力、自ら考えぬく事なんだと。 かもめでは子供たちの意欲を大切にしてくれます。その意欲が集中力をうみ集中力が子供の自己肯定感を育てる中でも大切な一つだと感じました。今回のかもめの卒園式に、年長の皆の顔が4年前にみた、あの生き生きした目をしている子供たちの顔でした。

島貫 母

 コロナウイルスの影響で毎年のような卒園式がおこなえないとの知らせをきいたときには私の👀は涙でいっぱい。なかなか気持ちをきり替えられずにいたのですが、子供たちの前向きで元気いっぱいな姿を見て、落ち込んではいられませんでした。子供たちが卒園式にやりたいこと!
 コマにお面にソーラン、アイヌなど、やりたいことがたくさん!仲間と話し合って物ごとを進めていく力・勢いは、このクラスならではの力だと思いました。仲間同士で遊んで、泣いて喧嘩して、話して、笑って、いろいろな感情がある中でかもめ生活を送ってきたんだな~と思いました。


もうや踊り

 年長スタートする春に、夫婦でこの一年、どんな力を成竜につけてほしいか、話し合いました。自分の想いや考えを人に伝えることができるようになってほしい!!と願いながら毎日の自分に意識をし、夫婦お互いを指摘しあい普段の生活を大切にしてきた。卒園式の3日前に【言いたいこと、はっきり言っています。】と、日誌を通してコメントいただいたときには、嬉しくて涙がでてしまいました。最後の最後に、私たちの想いや成竜に今つけさせておきたい力だと感じ取ってくれていた保育士。かもめにいる間にと全力を尽くしていただける保育士と子供と向き合う親の想いが一つになって、成竜の成長が生まれたな~と思っています。さらには卒園式後にも友達とのケンカからうまれた心の成長、自分に友達に正直になれた成竜。成竜を全開に引き出してくれたくじら組の仲間、本当にありがとう。
 かもめの行事を通して、くじら組の親たちとは本当に楽しく過ごすことができた。こんなにも楽しめている自分にビックリしています。楽しめたのはみんな同じ目的にむかっているから、共通認識があるから、みんなのことが好きだから!くじら組父母みんなに、どうもありがとうございました!!
在園・OBの皆様には、心のこもった贈り物をありがとうございました。かもめ保育園の職員の方々、忘れられない卒園式を一緒につくりあげていただき、本当に感謝しております。ありがとうございました。あと2年在園しますので、かもめ生活を楽しみます。どうぞよろしくお願いします。

鈴木 母

忘れもしない・・・ 1歳1ヶ月、かもめ保育園に初めて見学に行った日。 私は仕事優先に過ごし、創也の事を考えず親の都合のいいように過ごしていました。
そんな中、園児のリズムをみて創也は、一緒になって広いホールを楽しく走り回っている・・・その姿を見て私はハッとさせられ、すぐ入園を決意しました。あれから5年と少し。かもめに入りいろいろありましたが、親も子も一緒に成長できる場という事を改めて強く感じました。身体もそうですが、特に心が成長できた事。様々な経験がなければ心の成長はできなかったと思います。
 年長になって知った、創也が覚えるまで時間がかかること。忘れもしない、海かもめで縄編みをしていて、何気なく高川に『創也どう?』と聞いた時。私はそれまで『まーなんとかなる』と思っていました。でもまーなんとかなるという感じでもないとわかった時は正直ショックでした。『意欲は人一倍にあるけど、自分のものにするのに時間がかかる、それを理解してもらわないと創也が一番苦しい思いをすると思う』と言われた時は正直涙が止まりませんでした。でもそこで言われたことは、日々の生活、遊びで変わることができるんだよ。と。具体的な事を教えてもらい、やはり日々の生活、遊びはとっても大事な事なんだとその時あらためて強く感じました。そんな中でできた縄編みは私にとって気付きを与えてくれた大事な大事な宝物です。その後もいろいろありました。いっぱい悩みましたが、話を聞いてくれる親たち、保育士たちにアドバイスをもらいながらここまで来れたと思っています。
話を聞いてくれるだけで心強かったよ。 ありがとう。
 今回コロナの影響で、卒園式が縮小されると聞いた時は、ショックすぎて頭は真っ白、子供達の事を考えると悲しく、この行き場のない気持ちをどうしたらいいかわかりませんでした。(結局樋詰にあたってしまいごめんね 涙)でも子供達は、親の気持ちとは裏腹に自分達のやりたいことができる卒園式!と前向きな姿を見て、本当に励まされました。それと同時にこの子達の集団の力、0から1を生み出す力、本当に素晴らしい力を持った集団だなと感心しました。創也も頭はお面作りで一杯。最初はガンダムみたいな被るお面、段ボールの服を作って行き、服はすぐボロボロになり使えなくなりましたが、当日の朝までお面を自分なりに変えて持っていってました。(当日踊りでは、目の穴が小さく全然見えなかったというアクシデントもあり 汗)


弓矢の舞

 そんな中で迎えた卒園式。当日ホールに行くと、在園の親が作ってくれた色とりどりの花くす玉。OB2年生有志の方からお祝いしたい気持ちを花束にかえて一人一人にプレゼントされ、子供達もニコニコしながらの写真撮影。ホールには、写真や子供達の絵がいっぱい飾られ、桜の装飾も交えての中、子供達のやりたいことが詰まった卒園式。暖かい空気の中、子供達の大きな歌声に包まれて、みんな誇らしげに生き生きした姿は私にとっても一生忘れることはできない出来事だと思います。式が終わると外から歌声が・・・なんと、保育士みんなで歌ってくれて、堀内さんから子供達へ桜のデザートのプレゼント、OB1年生からは紙飾りのお花のトンネルが・・・涙
そして花飾りで埋め尽くされた中に子供達の写真が一人づつ飾ってある・・・涙
こんな暖かい心のこもった式は初めてで本当に感動しました。この場を借りてお礼を言わせてください。在園児親の方々、OB一年生、二年生、堀内さん、保育士のみなさん、本当にありがとうございました。樋詰にも連日遅くまで、ぐちぐち言ってしまいごめんね。反省してるんですよ!クジラの親集団で過ごせた時間はこの先もずっと忘れないと思います。
みなさん、本当にありがとう!4月から新しい生活が始まります。これからも創也の意欲の目を潰さず、いつまでもキラキラした目を輝かせられる様、子供のやりたい!を親も一緒に楽しんで過ごしていきたいと思います。
 かもめで育った創也という根。幹をもっと太らせ、葉が生い茂り、いつか蕾をいっぱい付かせられるよう・・・

北澤 父


十二月のうた

 卒園式へ向かう途中、杏示がボソッと「かもめの友達最高。全員おもしろくて大好き。友達がいるからかもめが面白い。」みたいなこと(なんて言ったのかはっきり覚えてないのが痛恨!)を言いました。“♪ともだちはいいもんだ~”と頭の中で流れたのは言うまでもありません。
 かに組の5月から入園。最初は「かもめルール」に戸惑いました。TVダメ、字ダメ、おもちゃダメ…。もうプラレールで遊べないのかと私の方が苦悩しました。諸先輩方と話したり、勉強会などでそれぞれのルールの意味を知り、理解することができました。谷のシナプスどば~の話が分かりやすかったです。
 保育園で一緒に遊び、笑い、時に大ゲンカをし、涙を流し、その果てに「友だち最高」いいものを見つけてくれたなと思っています。体を張って頭を使って保育を実践している保育士の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。休みもしっかりとって、末永くかもめ保育園が続いていくことを心から願っております。

卒園メッセージに寄せて 栗林 文雅


在園児の親たちからの贈り物くす玉

 今年は、年長さんの姿をみんなでお祝いすることができず、とても残念でしたが、年長さんの様子や、年長児の親の想いをかもめニュースで知ることができ嬉しく思います。特に河崎さんのメッセージは、やわらかい言葉の中にも大事なことがつまっていて、まだまだ未熟な親としては気付きや感じる部分がたくさんありました。
 一つは、「子どもは親とは違う一人の意思のある人間だということ」これは、私自身一番大切にしたいと思い、学んでいるところです。頭では分かっていても、子どもの尊厳を認め、いつも平等に関わることは難しいなと感じています。(忙しい日々の中で気持ちに余裕がもてず、ついつい親の都合に合わせたり、イライラして思い通りにさせようとしたり…)河崎家の子どもたちの姿を見ると、そこを大事に育てられてきたのがよく分かります。子どもは、一人の人格ある対等な存在であることを忘れずに日々の生活を大切にしていきたいと思います。
 二つ目に、「自分が勝ちたい、目立ちたいと言っていた晃之介が、みんなで、仲間と、一緒に乗り越えたいと思えるようになった」この変容は、本当に感動ものでした!(我が息子、1年生の将雅はまだまだ自分が勝ちたい、一番多く食べたい…等という気持ちが強いです…涙)この晃之介の姿は、自分(自我)を十分に発揮し、大切されてきた環境があったからこそ、相手を思いやれる心が育ったのだと感じました。さらに、小さい頃から家族の中の自分を基盤にして、自ら信頼できる他者を広げていける関わりがあったのだと思いました。これは、きっとかもめ保育園だからこそできる育ちだと感じます。共同保育の重要性を知るとともに、自分自身も大切にしていきたいと思います。
 最後に、発達を保障され、自らの手でたくさんのことを獲得した年長さんの姿を見ると、本当に生き生きと輝いていて、清々しい気持ちとともに涙が溢れてきます。
年長の子どもたち、親、職員の皆さん、感動をありがとうございました!

石田(保育士)より


メッセージに涙する

 卒園式にふさわしい、すがすがしい春日和の中誇らしげな顔の年長の子どもたち。卒園式がどうしてこんなにも心にグッとくる印象的な大作(3部作)になったのかを考えると今までにない、年長の子どもたちが作り、何の迷いもない晴れやかな顔で終始見ている人たちを驚かせてくれたからだと感じました。
 そして年長児を間近で見ていた弟妹たちにもその勢いが伝わり心を動かされたようです。翌日に聞いた感想をお伝えしますね。
百福「ひより、スカートはいて歌うたってかわいかった。ソリ(リズム)本当はみんなに見られて恥ずかしいしょ、ひより真剣な顔ですごかった。」
莉唯「おもしろかった。なるの跳び箱すごかった。」
彩葉「与人、太鼓素敵だった」
千夏「うれしかったの(栄祐見れて)めっちゃうれしくて泣きそうだった。」
澪恩「澪那スカート着るのかわいかった。みんなステキ。樋詰の太鼓おもしろかった。」
心綸「あのね、円心はねリズムいっぱいしてて“楽しかった”って言ってて心綸うれしかった。玖宥はね、コマの技してね、上手にできてよかった。」
年長児の姿をしっかり焼き付けた忘れられない1日になりました。小さい頃からみんなと沢山歌って笑ったこと忘れないからね~!!

(石田 記)


森をかけるそりの歌

もうや踊り

森をかけるそりの歌

後ろこま回し

鈴木(保育士)より

 子どもたちが卒園式でやりたいことの一つにコマの技がありました。コマ大会の後から10回全員で回ったらコマの技をしても良いと言う話は前回樋詰がニュースに書いた通りです。今回は鈴木から見たコマの技までの様子を伝えたいと思います。
 コマ大会後とにかく全員でやっても1回も回らない日が長く続きました。全員で回り始めても1回か2回の時が多く、そのうちに普段失敗しない子が変な紐の巻き方をして失敗すると言う様子です。回らないしふざけるしで、大人がリードしてみたり、子どもだけでできるよう言葉をかけたりでした。10回挑戦中は樋詰か鈴木のどちらか1人が保育に入っていました。私が保育に入っていない時のこと、そろそろ回らないと技をするのは難しくなるかな、2グループに分けた方が良いかな、そう言う話が昨日出ていたと話す子どもたち。それでも、「まずはみんなで回してみよう」と晃之助。でも何回やってもやっぱり回るのは1回か2回。どうしてもコマの技をやりたい怜旺が「分けてやろう」と言います。怜旺は今までかけ声をかける役をたくさんしてきました。ふざけたり変な紐のかけ方をして失敗する子が多い中、いなくなる子にも声をかけちゃんとやって欲しいと言う側に変わっていった子です。技をやりたいのは人一倍です。なので回数は増えていかないし、時間はなくなってくるし「分けたい」と言いました。分けるかみんなでするか話し合いになりました。「でも、今までみんなでやってきたんだから、やっぱりみんなでやりたいんだよ」と晃之介。そうなんです、くじら祭りに神輿を作りたいと材料から構想組立まで自分たちで行い、みんなで出店のメニューを考えて遊びコーナーまでも子どもたちがしっきってやりました。レクも卒園式の出し物も自分たちで作ってきました。回らないからと言って2グループにはしたくないと言う様子です。だんだん「やっぱりみんながいい」と言う子が増えていき、もう少しみんなで回すことになりました。この時はここで時間切れ、そうしてこの日の午後全員で10回回ったところにつながります。この後子どもたちから技のアイディアが出るわ出るわ。そしてどの子もとても力強くコマを回していました。技が決まらないと家でやってきます。「昨日全然回らなかったのに凄いね」と何人にも声をかけました。とても難しいもの挑戦したり、面白かったり本当に良く考えていました。苦労してケンカして話し合ってきたコマの技までの取り組み。技の技術もそうですが、コマが届いてからの3カ月間心が大きく育った時間でした。
 卒園式が終わり、少しのんびりとした時間を過ごしています。ゆっくり水彩を描いたり、ホールでも外でもコマを回しています。先日はかめ組に掃除の仕方の引継ぎをしました。一緒に並んでかめさんのスピードに合わせてホールを拭いています。廊下も1段づつ一緒にしています。引継ぎをした次の朝はみんな自分で考えたようで、もれなくかめの子について一緒に拭いていました。雑巾がけが嫌いでかなり手をやいた子どもたちだったのに、立派な姿があちこちで見られています。

(鈴木 記)

鈴木の胴上げ

畑中(保育士)より

「3月25日、年長さんに1冊だけ読み聞かせをした時のこと」 年長さんがかに組の時の冬の事、山小屋の奥の部屋で「三まいのおふだ」を何度も読みました。ほかの本を選ぼうとしても「こぞっこがいい!」という声に応えて何度も、何度も。
 かめ組へ進級した時「あの本読んで!」という声を何回かかけられました。「そうだね、今度ね」とはっきり答えられずにいるうち、だんだんその言葉も途絶えその「いつか…」はどこかへ行ってしまいました。でも畑中はずーっと「いつか」を考えていたんだよ。そして卒園式も終わったし、今しかないな、と髙川と年長担任に時間をもらえるかどうか聞いてみると、すぐ畑中に年長さんとの時間をとってくれたのです。ありがとうございました。嬉しかった。
 久しぶりなのでドキドキ、緊張しながら声を掛けました。「集まってくれるかなー?コマとかしてるし…(畑)※以下、(畑)は畑中の心の声ということで。
「年長さーんちょっとお話あるんだけど」と声をかけて年長部屋で待ちました。
「なに?」「本?」「ヤダ」色々言いながらも集まってくれました。
「ホッ……(畑)」
すると突然一番前に座っていた創也と怜旺が…顔を叩き合ってケンカをしています。
「わっまだ手が出る(畑)」 
創也「小さい人が前になるんだよ!」どうやら座る場所をめぐってのトラブル、
(あれ…?なんか聞いたことがある、つい最近…(畑))
周りの友達は、 心奈「昨日もでしょー!」(今の言い方どこかのお母さんっぽい…(畑))
夢芽「そっちのほうに座れるしょ!」(わー、夢芽も言うなー…(畑))
最終的には創也も泣きながらでも言いたいことは言った怜旺は顔中で(まずかったな…)を表してる。
そしてお互いしかたないかというムードで隣同士で座りました。


竹踊り

 さて本が始まると「うちにあるー」という子もいましたが、何も言わずに見ていました。みんなとっても集中しています。「おっかしー」「えー!?」クスクスと小声でしゃべったり笑ったりしています。終わると、「みじかーい」「みじかかったけどおもしろい」「さー、コマする」と短い言葉を残してそれぞれもとの自分たちの遊びへと戻っていきました。何人かは床に読んだ本を広げてページをめくっていました。たった10数分の間の出来事でしたが、いろいろな姿を見ることができました。相手と気持ちを伝えあう、友だちのケンカを見守る、本に集中する、自分たちで遊びを始める、、、年長になるまでの日々で培ってきた“生きる力”ですね。とても感心し、成長を感じた時間でした。ちなみに読んだ本は「けんかのきもち」です。
 これから始まる学校生活。楽しいこと、苦しいこと、たくさん経験できます。それは子どもだけでなく親としても。いっぱい笑って、いっぱい泣いて、怒って、汗を流して、また笑って、、、あたりまえの日々精一杯過ごして「生きる力」をもっともっと蓄えて太い、大きな人になってください。応援しています。卒園おめでとうございます。

(畑中 記)

合田(保育士)より

 今年はいつもと違った形での開催となった卒園式。去年年長担任を経験したからこそ、改めて今まで行ってきた卒園式は当たり前じゃないことを感じました。そんな中でも子どもたちは楽しそうで、卒園式当日のはじけた笑顔や真剣な顔、涙している顔・・・色んな表情を見て、これは残さなくては!と当日は一生懸命カメラを回していました。


1年生の親子の花のアーチ

 今回カメラ係になったので、声を出さないように気を付けていたのですが、コマの技を見たときは思わず「すごい!」と声が出てしまいました。(笑)だって、見たことのない技がたくさんあったから!大ゴマの綱渡り、手作りソリを使った技、大ゴマのハンガーのせ・・・他にも驚くものがたくさん!こんなアイディアどうやって思いつくんだろう?と子どもたちの発想力に本当に驚き、そしてそれを成功させていく姿に感動しました。遊びの豊かさは発想の豊かさにも繋がっていくんですね。直接見てもらえなかったのは残念ですが、その分頑張って撮ったので、ぜひDVDで見てください!


ケーキ職人堀内からのプレゼント

 いくら組にいると同じ園舎にいるのに、本当に年長の姿って見えないのですが、(いくら組担任経験者からはさんざん言われていた)海斗と陽太朗と莉音はリズムのピアノが聞こえるとよくホールへ見に行ったり、外の窓に張り付いて見ていたりしていて、それにつられて他の子も見ていたり、それを呼びに行くと見せかけて私も張り付いて様子を見たり・・・(笑)そんないくら組は心奈(年長)の弟海斗からの発信でよくアイヌの踊りを踊っています。最初は提灯祭りの後「イヤドーコーエンヤー・・・」を歌えとお玉をもって足をどんどん。歌うと海斗につられて他の子もよく踊っていました。卒園式が終わると次は「アンガ!アンガ!」と要求され、歌うとニッコニコそしてまた踊りだすいくら組です。まだ立たない子もこの楽しそうな雰囲気を感じてか、手を振ってニコニコしているんですよ。他にも海斗は大ゴマをスコップですくう日向の技の真似もしていたんだとか。椰々(年長組創也の妹)は回せないけどコマを投げて回す真似。陽太朗はどこからか縄跳びを持ってきて飛ぶ真似。雑巾をやる子も!(毎日年長がいくら組の雑巾掛けをしてくれていました。)いくら組の子どもたちも、年長からいろんな刺激をもらっているんですよ。それが憧れになっていくのかな~?と、これからがとても楽しみです。

(合田 記)

職員合唱でお見送り