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かもめニュース

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2012年度〜2016年度

2015年度 Vol.35

髙川の保育日誌(12 月21 日)

雪のなかでノコ切りを楽しんじゃった

危ない倒木を切っちゃおう

 8時半ころ出勤してみると、もう、年長の友輝、瑞歩、杏実の3人が掃除当番を終わっていたので、すぐ外に出てソリ遊びをすることにしました。小さな雨粒が頬を打つという生憎の天気で、おまけにソリ滑りには積雪が少なめです。でも、子どもたちはそんなことお構いなしに、園舎北側の灌木の中でソリ滑りを始めました。
  「スロープ」の中ほどにある倒木を避けながら巧みにソリを操るのですが、舵取りに失敗する とチョット危ない。
「みんな、この木、危ないよね。ノコで切ろうか」と声を掛けると、3人は園に駆け戻り、持ち出してきたノコで太い木を切り始める。
 雪をかぶった木は湿っていて、なかなか切りにくい。春には「スゴ腕」を見せた瑞歩も苦戦です。「どうしてもノコが動かない」と言うので、髙川が代わってみたけどヤッパリ駄目。木の枝が雪に埋まっているので、切りにくいんだということに気が付き、力を合わせて雪を取り除きますが、それでもノコは動きません。倒木は切り進むと部位によりノコが締め付けられてうまく動かないということだったのです。
 友輝は順調に切っています。 「友輝、すごいね。いつの間に切れるようになったの?」 「友輝はなんぼでも切れるんだ」と意気軒昂。

小さい子におもちゃ作ってやろう

 友輝が枝を払った切り口や出っ張りを指して、「これ、なんか耳みたい。ここは目、こっちは口だ」と言い、「これで動物を作ろう。脚も作って、クギで体に付けてさ。そうだ、第2園舎の小さい子に玩具を作ってやろう」と他の二人に呼びかけます。
 瑞歩が「そうだね」と賛成し、杏実が「杏実は脚を切るわ」と仕事に取り掛かります。小さい子どもたちのために… と気持ちを合わせてテキパキと事を運ぶ姿に”素敵だなぁ”と見惚れてしまいます。

かめ組のお試しノコ切り体験

 年長が生き生きとノコを操る様子を4~5人のかめ組が”憧れる~”という感じで見入っています。「かめさん、ノコやってみたい?」と水を向けると、意外な問いかけにビックリしてか答えが返ってきません。やがて、「うん」と頷きます。
「だけど、内緒だよ(笑)」に、また、「うん」。
みんな、これ以上ないという緊張の面持ちでノコを動かします。が、ノコを右に左に曲げてしまうのでうまく切れません。「アー、ノコ折れちゃう~!」と思わず言ってしまったほどです。仕方ないよね、初めてなんだもの。
 もう少し経ったらワオーの森で”My ノコ”を使って思う存分切れるから。
 かめの「ノコ切り初体験組」はノコに触っただけで大満足の様子です。みんなに「内緒で、ノコで切ったんだよ~!」と触れ回るもんだから、かめ組の残りがゾロゾロと寄ってきました。

次々と遊びを見つける

 年長は、木の節(ふし)や樹皮の捲(めく)れを顔などに見立てて、「”顔”が大きいのと小さいのと二つ出来たから、親子を作れる!」と、創造の幅を広げていきます。かめ組も遊びを思いつきます。年長が”脚”にするために木を切って雪面に並べて突き刺してあるのを見過ごしませんでした。棒きれを振り回して、立ててある木を何本倒せるか競い合っています。

「自前の玩具」で遊ぶことが…

 かもめ保育園が既成の玩具を奨励しないのは、玩具はそれだけで完結してしまいがちで、それ以上の展開を求めにくいからです。それに対して、例えば、トイレットペーパやラップの芯、空き箱など身の回りの”ガラクタ”なら、いろいろなものを組み合わせてドンドン変化・発展させることができます。
 仲間と共に手足を使い、道具を操って遊ぶことを日常化することで、創造(想像)力が培われるのだと考えています。
 変哲もない倒木の処理が思いがけない遊びに発展し、みんなで楽しんでしまった… 。
 今日は、かもめではよくある、そんな日々の一ページでした。

(高川 記)